若い女性でも睡眠時無呼吸症候群になる?
睡眠時無呼吸症候群の代表的な症例としては、睡眠時にいびきを発することです。
いびきは、男性が眠っているときに発しているイメージが強いかもしれませんが、女性も例外ではありません。
肥満・扁桃肥大・鼻づまり・小顎症などが原因となって、睡眠時に呼吸が止まることや弱くなることが主な症状で、いびきは発見の手がかりとなるからです。
これらの原因は、男性だけに限定されているものではなく若い女性にも該当します。
特に女性は小顔の方が男性と比較して多い傾向にあり、頭骸骨の骨格が小さいことから喉が狭い傾向となってしまいます。
肥満以外にも原因はあるため、若い女性であっても睡眠時無呼吸症候群には注意しなければならないのです。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、英語では「Sleep Apnea Syndrome」と表現します。
言葉からも分かるとおり、睡眠時において呼吸が停止してしまう症状を発症する病気です。
また、英語表記である「Sleep Apnea Syndrome」の頭文字から「SAS」と表現されることもあります。
無呼吸の定義は、医学的に10秒以上の時間において気道の空気の流れが停止した状態である気流停止を無呼吸としています。
人によって睡眠時間に差はありますが、夜から朝にかけての睡眠時間が7時間であった場合、30回以上の無呼吸が発生すれば睡眠時無呼吸症候群に該当します。
また、睡眠時間1時間あたり5回以上の無呼吸も同様の診断となります。
私たちは、睡眠時においては意識が覚醒しているわけではありませんので、自身が睡眠時無呼吸症候群を発症しているのかどうかを自分で気づくことは困難となっています。
そのため、無自覚者が相当数いると想定されることから、治療および検査を受けていない人は数多く存在していると推測されています。
睡眠時無呼吸症候群の怖いところは、自身が気づかぬまま睡眠の質が低下することに伴って日中の活動時に深刻な影響を与えてしまうことなのです。
日常生活において生じている支障が睡眠時無呼吸症候群によるものだと気づけないのがこの病気の怖いところであると言えるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群と妊娠期の関係性について
睡眠時無呼吸症候群は、女性の妊娠期とも深い関係があります。
女性は、妊娠期において適切に子供を分娩するため体重が増加することがあります。
妊娠期における体重の増加を起因として、身体についた脂肪が上気道を狭めてしまうのです。
また、眠時無呼吸症候群を発症することで自身にの常生活に刻な影響を及ぼす危険性がありますが、妊娠期における女性では影響を及ぼすが自身だけとは限りません。
母体の体内にいる胎児にまで、大きな影響を及ぼしてしまうかもしれないのです。
胎児に悪影響を及ぼしてしまう主たる原因は、睡眠時における無呼吸を起因とした低酸素濃度血症です。
睡眠時無呼吸症候群によって、睡眠時における母体の酸素濃度の著しく低くなってしまいます。
そのため、睡眠時無呼吸症候群によって、睡眠時における母体の酸素濃度は、著しく低下し胎児に悪影響となる低酸素濃度血症を引き起こします。低酸素濃度血症は、着床障害を原因とした不妊・妊娠糖尿病・流産・妊娠高血圧が発生するリスクが高まるため女性は早期に睡眠時無呼吸症候群の治療および検査を受ける必要があると言えます。
これらのことより、女性は早期に睡眠時無呼吸症候群の治療および検査を受ける必要があると言えます。
若い女性が睡眠時無呼吸症候群になる原因とは
睡眠時無呼吸症候群は、男性だけでなく若い女性も注意しなければなりません。
それでは、睡眠時無呼吸症候群を発症する原因とはどのようなものがあるのでしょうか。
ここからは、睡眠時無呼吸症候群になる原因について詳しく解説します。
肥満
生活習慣病などを起因とする場合もありますが、女性においては妊娠期に体重が増加してしまって肥満となってしまうこともあります。
体重増加に伴う肥満によって、喉および舌も脂肪がついてしまうことで気道が狭隘化してしまいます。
扁腺肥大
人体とは、咽頭部の両サイドよりセンターに向けて扁桃が張り出すような構造となっています。
そのため、何らかの理由によって扁桃が大きくなってしまうと、必然的に気道が狭隘化します。
鼻づまり
鼻づまりとは誰しもが発症する症状の1つです。
原因はさまざまですが、アレルギー性鼻炎および慢性副鼻腔炎などを発症した場合は、それらを原因として鼻ポリープが発生することがあります。
また、同様の症状によって両方の鼻腔に間の壁の弯曲してしまう鼻中隔弯曲症なども発生するケースがあります。
これらを原因として、鼻閉が発生してしまうことで睡眠時無呼吸症候群を発症してしまうことがあるのです。
小顎症
小顎症とは、言葉のとおり下顎が小さい形状となっていることです。
下顎が小さい形状であると、口内の舌が後ろに落ち込みやすい構造となっていることから、気道が狭隘化してしまいます。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群とは、女性にのみ発症する症状です。
これは、卵巣にたくさんの嚢胞が発生する病気に該当します。
多嚢胞性卵巣症候群となることで、具体的な症状としては体毛増加・過小月経・肥満などが挙げられます。
なお、多嚢胞性卵巣症候群は睡眠時無呼吸症候群と合併して発症するケースが多いことが特徴となっています。
睡眠の必要性とは?
睡眠とは、私たちが生命活動を維持するために必要不可欠な行為であると言っても過言ではないでしょう。
ここからは、睡眠の必要性について詳しく解説します。
疲労の回復
日常生活において、仕事・家事・運動などによって人体には疲労が蓄積されて行きます。
蓄積された疲労を回復させる代表的な手段として、睡眠が挙げられます。
また、肉体疲労の回復だけでなく、心身ともリフレッシュできることも期待できるでしょう。
睡眠にはリズムが存在し、ノンレム睡眠と呼ばれるとても深い睡眠時において疲労回復が期待できる成長ホルモンがたくさん排出されることで、体内代謝活動が促されるのです。
体型維持
質の良い睡眠を取ることで、エネルギー代謝を促すホルモンが分泌されて肥満になりづらい体型維持が期待できます。
これは、質の良い睡眠によって食欲を抑制するホルモンが排出されることで、必要以上のカロリーを取りすぎないように身体代謝を促すためです。
ストレスの解消
質の良い睡眠は、脳内疲労の回復を促します。
内分泌系のリズムが適切となることで、日常生活において蓄積されたストレスを解消することが期待できるのです。
美容への期待
質の良い睡眠によって成長ホルモンがたくさん排出されることで、肌のターンオーバーが促進され、美肌効果が期待できます。
良質な睡眠とは、眠りに入ってから20分から30分程度経過したタイミングであると言われており、その時間帯が睡眠において最も深い睡眠であるとされているからです。
深い睡眠を意味するレム睡眠状態は、成長ホルモンの排出が著しく多いとされています。
成長ホルモンがたくさん排出されることで、美肌効果が期待できるのです。
物事の記憶
睡眠を取ることで、疲労回復・体型維持・ストレス解消・美容への期待などさまざまな効果があります。
しかし、睡眠によって得られる効果とはそれだけではありません。
睡眠には、起きている間に体験した事象を頭の中で整理して、脳に記憶させる効果が期待できるのです。
ノンレム睡眠と呼ばれる深い眠りに入っているときは、起きている間に体験した際の感情および事象を整理する効果があります。
また、レム睡眠と呼ばれる浅い眠りに入っているときは、脳に記憶として定着させる効果があるのです。
質の良い睡眠を取ることで、自身にとって必要な内容のみ記憶として定着させて、不必要な情報は忘却することで記憶能力の最適化を図っているのです。
睡眠不足の悪影響とは?
睡眠とは、私たちにとって重要な役割を持っているため必ず取るようにしなければなりません。
そのため、睡眠不足に伴う人体への影響とはさまざまな形で現れるのです。
ここからは、睡眠不足の悪影響について詳しく解説します。
また、どうしても眠れないなどの症状がある方は「不眠症」という言葉も、頭をよぎるかもしれません。
不眠症の女性に向けたコラムもありますので、ぜひ読んでみてください。
体型の変化
睡眠不足を原因として、ホルモンが排出されるバランスがおかしくなってしまうことで食欲をコントロールできなくなることが想定されます。
そのため、普段と比較すると過食してしまうため、体型に変化が現れます。
抑うつ発症
私たちの体に備わっている体内時計の機能が、睡眠不足によって狂いが生じます。
体内時計の狂いに伴って、脳が緊張状態に保たれる時間が長くなりますので精神的な疲労が蓄積します。
睡眠不足に伴って、脳の疲労を癒すことができないためうつを発症するリスクがあります。
生活習慣病得発症のリスク
睡眠不足によって、規則正しい生活リズムに狂いが生じます。
規則正しい生活リズムが確保できないことにより、交感神経の緊張に伴うストレスを原因として高血圧などの生活習慣病発症のリスクがあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法とは
睡眠時無呼吸症候群は、治療することで改善することができます。
ここからは、睡眠時無呼吸症候群の治療方法について詳しく解説します。
CPAP
CPAPとは、鼻に取り付けたマスクを介して最適な圧力がかかった空気を送出することで、物理的に気道を確保する手法です。
装着時の違和感はありますが、慣れることで睡眠時において影響がなくなるケースもあります。
マウスピース
症状が軽い睡眠時無呼吸症候群であれば、下顎の部分にマウスピースを取り付けることで気道確保が期待でき、症状の改善が可能です。
手術
睡眠時無呼吸症候群を発症している原因が、扁桃肥大およびアデノイド肥大であれば手術をすることで改善できます。
睡眠時無呼吸症候群の予防は生活習慣病の改善から
睡眠時無呼吸症候群は、扁腺肥大などの物理的な要素によるものもあります。
しかし、それだけではなく普段の生活習慣が原因となっている場合もあるのです。
例えば、タバコの喫煙・過食による肥満・飲酒などです。
生活習慣を原因として高血圧や糖尿病など、生活習慣病が睡眠時無呼吸症候群を発症させているケースもあるのです。
そのため、睡眠時無呼吸症候群を予防するためには生活習慣病の改善が極めて重要であると言えるでしょう。
まとめ
ここまで、睡眠時無呼吸症候群のメカニズムや治療法などについて詳しく解説しました。
睡眠時無呼吸症候群は、男性に多くみられる症状ですが、若い女性でも発症する可能性は高いと言えます。
睡眠時において症状が発生するため、自身では気づきにくいことも大きな特徴であることから、若い女性の方は自分が発症していることを自覚していないケースも少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群によって、胎児にも大きな影響を与えることが懸念されますので、若い女性であるほど特に気を付けなればならない病気である言えるでしょう。
本記事が、睡眠時無呼吸症候群に悩まれている若い女性の方にとって一助となれば幸いです。
よくある質問
Q.睡眠時無呼吸症候群は若い女性でも発症するの?
A.若い女性だからと言って睡眠時無呼吸症候群にならないとは限りません。生活習慣病の改善など、睡眠時無呼吸症候群を発症しないための対策を講じることが重要です。
Q.睡眠時無呼吸症候群の治療方法は何がある?
A.手術・マウスピース・SPAPなど症状の重軽度や治療方針によって異なります。
下記のコラムでも紹介しています。
【予算別】いびき治療方法4選