仮眠の4つの効果
仮眠には、以下の4つの効果があります。
- ・眠気の解消
- ・作業効率の向上
- ・ストレス解消
- ・健康増進
仮眠は眠気の解消だけでなく、健康にもよいとされています。その理由についても詳しく解説しますので、ご参照ください。
眠気の解消
眠気を感じたときに、短時間の睡眠を取り入れると眠気が解消されます。
夜の睡眠時間が不足していたり、午前中の仕事がハードだったりすると、疲労により眠気を感じる人が多いです。
そんなときに仮眠を取り入れることで疲労回復が見込め、眠気が解消されます。仕事に集中できないほどの眠気や、疲労を感じているときは、積極的に仮眠を取りましょう。
作業効率の向上
眠気を感じていると、集中力が低下し作業効率が落ちるため、仮眠を取って切り替えましょう。
仮眠は、15分~20分程度がよいとされており、短時間で頭がスッキリして作業が円滑に進むようになります。
昼食後に残った休み時間や、作業の合間などタイミングをみて仮眠を取り入れるとよいでしょう。
ストレス解消
眠気によって集中力が低下し、作業効率が落ちることでストレスを感じやすくなります。
仮眠を取ることで眠気が解消され、ストレスの緩和につながります。
また、ストレスにより夜の寝つきが悪く、昼間に眠気を感じてしまうこともあるでしょう。そんなときにこそ、仮眠はストレスを解消できる有効な手段だといえます。
健康増進
健康を維持するためには、疲労を溜めこまないように十分な睡眠が必要です。疲労を解消する方法は、睡眠を取ることしかありません。
睡眠不足が続くと免疫機能が低下し、細菌やウィルスに感染しやすくなります。
様々な病気を予防するためには、十分な睡眠が必要であり、夜間の睡眠が不十分なときは仮眠で補い、健康の維持・増進につながるでしょう。
効果的な仮眠を取る方法
効果的な仮眠を取るには、以下の5つのポイントがあります。
- ・仮眠を取る前にカフェインを摂取する
- ・仮眠は横にならない方がよい
- ・アイマスクやイヤホンを使用して明るさや外部の音をシャットダウンしよう
- ・仮眠用の枕を用意しよう
- ・仮眠時間は20分以内にするべし
仮眠の効果を最大限に発揮するための重要なポイントになるため、確認していきましょう。
仮眠を取る前にカフェインを摂取する
仮眠前にカフェインを摂取すると、起床時にカフェインの覚醒作用が働き、スッキリ起きられます。
カフェインは、摂取後20分~30分ほどで覚醒作用が働くとされているためです。
仮眠前に摂取するおすすめの飲料は、以下をご参照ください。
飲料名 | カフェイン含有量 |
---|---|
玉露 | 100mlあたり約160mg |
コーヒー | 100mlあたり約60mg |
エナジードリンク | 100mlあたり約32mg~300mg |
紅茶 | 100mlあたり約30mg |
ほうじ茶、ウーロン茶、煎茶 | 100mlあたり約20mg |
カフェインの代表的な飲み物といえば、コーヒーを思い浮かべる人が多いでしょう。玉露はコーヒーよりもカフェインの含有量が多く、また紅茶・ほうじ茶・ウーロン茶などにもカフェインが含まれています。
コーヒーが苦手な人でも、様々な飲料でカフェインが摂取できるため、仮眠前は上記に挙げた飲料を摂取するように意識してみてください。
仮眠は横にならない方がよい
仮眠時に横になってしまうと、深い眠りに入りすぎてしまい、かえって倦怠感が増す可能性があります。
仮眠は深い眠りに入る前に起きることで、短時間で効果を発揮します。
仮眠を取るときは、机に伏せたり、壁に寄りかかったりするなど姿勢を工夫しましょう。
アイマスクやイヤホンを使用して明るさや外部の音をシャットダウンしよう
明るい部屋や、外部の音が気になる場所では仮眠しにくいため、外からの刺激をシャットダウンできるアイマスクやイヤホンを活用しましょう。
明るさや音をシャットダウンすることで、リラックスして仮眠を取りやすい環境が作れます。
どうしても話し声や作業音などが気になって仮眠が取りにくい場合は、使われていない部屋やコワーキングスペースなどを利用するのもおすすめです。
仮眠用の枕を用意しよう
机に伏せて仮眠を取る場合、腕を枕代わりにするとしびれや痛みを感じ、仮眠に集中できない人も多いのではないでしょうか?
枕を使用することで、腕の負担がなくなり、仮眠が取りやすくなります。また、枕の柔らかさや素材の心地よさにより、眠りに入りやすくなるため、自分のお気に入りの枕を用意してみましょう。
仮眠時間は20分以内にするべし
仮眠時間は、短すぎても長すぎても効果が得られにくく、15分程度、長くても20分以内がベストとされています。
理由は以下の通りです。
- ・ヒトの睡眠はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)に分かれている
- ・ノンレム睡眠の中でも眠りの深度が4段階に分かれている
- ・睡眠の効果はノンレム睡眠の2段階目が一定時間必要
- ・ノンレム睡眠の1段階目に入るまでに5分程度かかると言われている
上記のことから、ノンレム睡眠の1段階に入るまでの5分から、2段階目の一定時間を保つには10分程度要するため、仮眠は15分程度が適切といえます。
日中に眠気を感じる理由3選
日中に眠気を感じる理由には、以下の3つが考えられます。
- ・生体リズムのずれ
- ・食後の血糖値の上昇
- ・夜の睡眠時間の不足
いずれも「自分に当てはまっているかも!?」と思い当たる人が多いのではないでしょうか。
詳しく解説しますので、ご参照ください。
生体リズムのずれ
ヒトの生体リズムは25時間サイクルになっており、朝日を浴びることで毎日リセットされ、24時間に調整しています。
朝起きる時間が遅くなり、朝日を浴びるタイミングがずれてしまうと、生体リズムのリセットもずれてしまい、昼間に眠気を感じたり、夜の睡眠時間が崩れてしまったりします。
また、生体リズムは体温とも深く関係しており、1日のうちで体温が最も高く、急降下しやすい時間帯がお昼過ぎにあたります。
体温が下がると眠気を誘発するため、昼間の眠気は生理現象ともいえるでしょう。
食後の血糖値の上昇
食後の血糖値が上昇することで、以下の作用が働き、眠気を誘発すると考えられています。
- ・インスリンによって血糖値が急激に下がること
- ・脳のホルモンである【オレキシン】の作用が弱まること
食後は血糖値が急上昇しているため、インスリンを分泌させて血糖値をコントロールする作用が働きます。血糖値が急激に上昇すると、インスリンも多く分泌されるため、今度は急降下するのです。
血糖値の急激な変動は、倦怠感や眠気を誘発すると言われているので、血糖値の上昇を穏やかにするような食事を心がけましょう。
また【オレキシン】とは、脳のホルモンの一種であり、空腹時で血糖値が低いときは盛んに分泌され、覚醒状態になります。一方、食後に血糖値が上昇すると分泌が抑制され、眠気を誘発します。
以上のことから、食後の血糖値の変動に眠気が大きく関係しているといえるでしょう。
夜の睡眠時間の不足
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、予定していた起床時間よりも早く目が覚めてしまったなどで、夜の睡眠時間が不足していると、昼間に眠気を感じます。
単純に睡眠時間が不足しているため、不足分を補おうと眠気を誘発しているのです。
夜にまとまった睡眠時間が取れるように工夫しましょう。
あなたに最適な仮眠をご紹介
仮眠方法は主に5種類あり、目的や仮眠時間が異なります。
- ・【仕事中眠くて集中できないときに】ナノナップ
- ・【気持ちの切り替えに効果的】マイクロナップ
- ・【移動中におすすめ】ミニナップ
- ・【昼食後の昼休みに】パワーナップ
- ・【週末や休日に】ホリデーナップ
それぞれについて、詳しく解説します。自分に合った仮眠方法を探してみましょう。
【仕事中眠くて集中できないときに】ナノナップ
ナノナップとは、数秒~数十秒目を閉じて眠ろうとする方法を指します。
「仕事中に眠気を感じて集中できない。でも仮眠を取る時間がない」という場合でも、すぐにできるのが特徴です。
作業中の机の前や、移動中のエレベーターの中などで、数秒目を閉じて脳の活動を一時休止するだけで眠気が軽減されます。
【気持ちの切り替えに効果的】マイクロナップ
マイクロナップとは、1分間の仮眠を指します。1分間目を閉じて、眠ろうとすることで身体と脳が休ませられるため、眠気の軽減につながります。
ただし1分間は短いので、深い睡眠に入りそうになると、身体が重く感じることもあるでしょう。マイクロナップは眠気の解消というよりは、気持ちを切り替えたいときや、目が疲れているとき、考え事をし過ぎて頭がボーっとしているときなどに取り入れるとよいでしょう。
【移動中におすすめ】ミニナップ
ミニナップとは、10分間の仮眠を指します。
昼食後に仮眠を取る時間がないような忙しいビジネスパーソン向けといえるでしょう。営業先への移動中にも取り入れやすいのではないでしょうか。
社内でミニナップを行う際は、時計やアクセサリーなどをはずし、ネクタイやベルトを緩めておくとリラックスしやすく、仮眠に入りやすいためおすすめです。
【昼食後の昼休みに】パワーナップ
パワーナップは、15分~20分以程度の仮眠を指します。
昼食後に取り入れることで、リフレッシュして午後の仕事に取りかかれるでしょう。
マイクロナップやミニナップよりも時間が長いため、深い眠りに入りすぎないように時間はしっかり守ることが重要です。
【週末や休日に】ホリデーナップ
ホリデーナップは、休日の昼間に90分間、横になってしっかり睡眠を取ることで、日頃の睡眠不足を補う仮眠方法です。
「平日は睡眠時間が短くなるから、休みくらいはゆっくり寝よう」と朝寝坊していると、生体リズムが乱れるため、夜眠れなくなったり、倦怠感が増幅したりします。
休日でも、なるべくいつもと同じ時間に起床し、昼寝を設けることで睡眠時間を確保し、寝不足を解消するのがおすすめです。
レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが90分間で行われていることから、ホリデーナップも90分で起きることでスッキリ起きられ、夜の睡眠にも影響を与えにくいといえます。
仮眠のデメリットは深い睡眠に入ってしまうと倦怠感が増すこと
仮眠の重要なポイントは、深い眠りに入る前に起きることです。そのためには時間をしっかり守りましょう。
疲労が蓄積していたり、睡眠時間が不足していたりする場合は、つい深い眠りに入ってしまう危険性があります。
深い眠りから起きるには体力を必要とするため、起きたときの倦怠感や頭重感が強く、その後の作業効率が下がる可能性も考えられます。
時間を守って仮眠が取れるようにアラームの設定をする、同僚にお願いして起こしてもらうなど、工夫しましょう。
職場に仮眠室がある場合はルールを守って積極的に利用しよう
職場に仮眠室が設置されている場合は、積極的に利用して仮眠を取りましょう。
仮眠室は、周りの音や明るさが調整されているため、眠りやすい環境になっていることがほとんどです。
ただし、職場によって、仮眠室の利用には事前の予約が必要であったり、音楽などの音は出さないように決められていたり、独自のルールがあるかもしれません。
まずはルールを確認してから仮眠室を利用し、眠気の解消やリフレッシュに役立てましょう。
まとめ
昼間の仮眠には、疲労回復やリフレッシュ効果があり、午後の仕事も活発に進められます。
生体リズムや脳のホルモンの影響で、昼間の眠気は生理現象であると考えられます。眠気を感じているときは、集中力が低下するため、仕事も思うように進まないでしょう。
1日を通して元気に活動できるように、自分に合った仮眠方法を探して上手に取り入れてみてください。
よくある質問
Q.仮眠にはどのような効果がありますか?
A.疲労回復、眠気の解消、ストレス解消、健康増進などの効果があります。仮眠の時間やタイミングなど、自分に合った仮眠方法で取り入れることで、より効果が得られやすいでしょう。 仮眠の効果については「【短期集中】短時間睡眠の効果と取り入れ方について」でも詳しく解説していますので、ご参照ください。
Q.昼寝しようとすると眠れず、時間がなくなってしまいます。寝つきをよくする方法はありますか?
A.明るさや外部の音は仮眠の妨げになるため、アイマスクやイヤホン、耳栓などを活用しましょう。周りの刺激を遮断することで、眠りに入りやすくなります。