ショートスリーパーとは睡眠時間が6時間未満の体質
ショートスリーパーの定義とは、睡眠時間が6時間未満であり、かつ日中の活動中に眠気や倦怠感をもたらすことなく健康を維持できる体質のことを言います。
睡眠時間が3~4時間で日中元気に過ごせる人は、身の周りにあまりいないでしょう。日本人のおよそ5~8%だけがショートスリーパーであると言われているからです。
ショートスリーパーになると、活動時間が長くなることから有効に使える時間も長くなるでしょう。
ショートスリーパーについてはこちらの記事でも解説していますので、是非チェックしてみてください。
ショートスリーパーになる3つの方法
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ショートスリーパーになる方法は、以下の3つが挙げられます。
- ・二度寝やスヌーズを利用しない
- ・睡眠記録をつける
- ・1日1回15分の仮眠をとる
それぞれについて、具体的に解説します。ただし、後ほどお伝えしますが、確実にショートスリーパーになれるとは言い切れないので、ご注意ください。
二度寝やスヌーズを利用しない
自分が決めた起床時間を守り、二度寝やスヌーズを使用しないことで、時間通りに起きられるよう習慣化されます。ショートスリーパーになるために最初につまずくのは、朝起きるところが多いです。
人間の身体は、90分サイクルでレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返していると言われており、レム睡眠の時間に起きられるように逆算して寝る時間を決めている人もいるでしょう。しかし「〇時に起きる」と決めると、それに合わせて身体が睡眠パターンを調整し、決めた時間に起きられるようになります。
ショートスリーパーになるためには、二度寝をしないことが重要です。
睡眠記録をつける
毎日睡眠記録をつけることで、自分の睡眠パターンが把握でき、コントロールができるようになります。
以下の項目を記録するようにしましょう。
- ・おおよその就寝時間
- ・起床時間
- ・仮眠をとった時間
- ・朝起きたときの目覚めはどうか
- ・日中眠気を感じたか
上記の内容を、毎日記録するようにしましょう。紙媒体やスマホのメモ機能、睡眠アプリなど自分に合った記録方法を決めておくと継続しやすいです。
また、記録するタイミング(朝起きてすぐ、通勤中の電車の中、仮眠を取るときなど)も決めておくと習慣化しやすいため、工夫してみましょう。
1日1回15分の仮眠を取る
短時間の仮眠は昼間の活動をより活発にする、というのはよく聞くことかと思います。
昼食後に眠気を感じ、午後の仕事や授業に身が入らないこともあります。昼食後は、上がった血糖値を下げようとする作用により眠気を感じやすい身体になっているのです。人の身体の働きにより、眠気を感じるのはしょうがないことと言えます。そのため、仮眠をとることで眠気を解消し、午後の活動が充実します。
1回15分というのは、深い睡眠に入る前までの時間であり、仮眠を15分以上とってしまうと深い睡眠に入ってしまうことから、起きにくくなります。仮眠は、15分がベストです。
ショートスリーパーになれるかどうかは諸説あり
ショートスリーパーになれる方法を紹介してきましたが、以下のように諸説あり、確実にショートスリーパーになれるとは言い切れません。
- ・日本人の9割はショートスリーパーになれる説
- ・ショートスリーパーは独特の遺伝子を持っている説
詳しく解説します。
日本人の9割はショートスリーパーになれる説
日本人の8~9割は6~10時間睡眠と言われており、睡眠時間の調節がきくという点からショートスリーパーになれるという説です。
自分の睡眠パターンを把握することで、本当は短時間睡眠の方が日中の活動を活発にできると分かった事例がよく聞かれます。
以下に該当する人は、睡眠時間を減らしてみると、身体が軽く感じる可能性もあります。
- ・布団に入ってから寝付くまで時間がかかる
- ・6~10時間寝ても昼間に眠気を感じる
- ・長時間寝ても疲れが取れない、朝起きられない
上記に当てはまる人は睡眠時間を短くしてみて、身体の感覚や日中の活動への影響などを確認してみるとよいでしょう。
ショートスリーパーは独特の遺伝子を持っている説
ショートスリーパーの人は、独特の遺伝子を持っており、生まれつきの体質であることが分かっています。そのため、ショートスリーパーの遺伝子を持っていない人は、訓練してもショートスリーパーにはなれないことになります。
仮にショートスリーパーの遺伝子を持っていない人が短時間睡眠に挑戦してしまうと、日中の活動に影響が出たり、寝不足により健康被害が出たりする危険性があると注意喚起されています。
いずれにしても、自分の睡眠パターンを把握して、最適な睡眠時間を見つけるのが健康によいと言えるでしょう。
日本人は3つの睡眠タイプに分かれている
睡眠タイプは、以下の3つに分かれています。
- ・ショートスリーパー
- ・ロングスリーパー
- ・バリアブルスリーパー
どのような睡眠パターンなのか、解説していきます。
ショートスリーパー
睡眠時間が6時間未満でも、日中に眠気を感じたり倦怠感が出たりなど、影響が出ない人のことを指します。
歴史上の人物では、ナポレオンの睡眠時間は3時間、エジソンが4時間など、ショートスリーパーがいたようです。
先述の通り、誰でもショートスリーパーになれる説と、遺伝子により決められており、訓練してもショートスリーパーにはなれない説があります。日本人では5~8%の人がショートスリーパーではないかと言われています。
ロングスリーパー
ロングスリーパーとは、睡眠時間が10時間以上の人のことを指します。長時間睡眠を確保しないと、日中の活動に影響が出る人はロングスリーパーです。日本人の3~9%が該当すると言われています。
ロングスリーパーの人が、ショートスリーパーを目指すのは難しいでしょう。10時間以上の睡眠を半分近く削ることになるため寝不足になり、日中の活動や健康状態に影響が出るからです。
自分にとって最適な睡眠時間を探すことで、健康や昼間の活動への悪影響を最低限に抑えられるでしょう。
バリアブルスリーパー
バリアブルスリーパーとは、睡眠時間が6~10時間の人を指し、日本人の80~90%がバリアブルスリーパーに該当すると言われています。
6~10時間と幅があり、睡眠時間を長くも短くもできるため、変化しやすい(=variable)ことからバリアブルスリーパーと名付けられました。
睡眠時間の変動に対応できることから、日本人のほとんどはショートスリーパーになりやすいと考えられている説が登場しています。
一方で、ショートスリーパーの人には特殊な遺伝子を持っていることが分かっているので、遺伝子を持っていない人はショートスリーパーになれないとも言われています。
日本人の大半はバリアブルスリーパーであるため、疲れたときは長めに睡眠時間を確保したり、仕事や趣味に時間を使って短時間睡眠にしたり、臨機応変に対応できるでしょう。
ショートスリーパーになれなくても工夫して短時間睡眠を目指そう
ショートスリーパーにはなれなくても、短時間睡眠で日中の活動時間を確保したい場合は、以下の方法を試してみましょう。
- ・睡眠の質を向上させる
- ・最適な睡眠時間が確保できない場合は昼寝を取り入れる
無理にショートスリーパーになろうとすると、思わぬ健康被害を起こす危険性もあるため、注意が必要です。上記について具体的に解説します。
睡眠の質を向上させる
睡眠は、時間も大切ですが質も重要です。質の低下した10時間睡眠よりも、質のよい6時間睡眠の方が疲労回復効果や朝の目覚めをよくすると言われています。
睡眠の質を向上させるためには、深い睡眠であるノンレム睡眠の時間を長く確保することです。そのためにできることを3つ紹介します。
- ・夕食は寝る3時間前までにすませる:食べ物の消化には2~3時間かかると言われており、消化に集中しているときは眠気を感じにくいため、寝る前には消化が終わっている状態になるようにしておきましょう。
- ・アルコールやカフェインを控える:左記のものを寝る前に摂取すると、交感神経が優位となり眠気がおとずれません。寝る前は、白湯やハーブティなどノンカフェインの温かい飲み物を飲みましょう。
- ・布団の中でスマホは操作しない:暗い部屋でスマホを操作していると、ブルーライトの影響で脳が興奮してしまい、眠気を感じられなくなります。布団に入ったら、スマホは操作しないと決めましょう。
上記の3つのポイントを実践して、質のよい睡眠であれば、短時間でも日中の活動に影響は出にくいと考えられます。短時間と言っても、普段7時間睡眠の人が4時間にするなど、極端に短くしてしまうと寝不足状態になるため、注意しましょう。
最適な睡眠時間が確保できない場合は昼寝を取り入れる
昼食後15分程度の昼寝を取り入れると、脳の働きが活発になることが分かっています。
昼食を摂ると血糖値が上がるため、下げようとする作用が強く働きます。このとき、人間の身体は眠気を感じるので、昼食後に眠気を感じやすいのです。睡眠不足ではない人でも、眠気を感じる人が多いでしょう。
仮眠を取るときのポイントは、以下の通りです。
- ・座ったまま寝る:横になると熟睡してしまうため、机にクッションを置いたり、壁に寄りかかったりして寝るようにしましょう。
- ・聞き心地のよい音を流す:雨の音や草木のそよぐ音など、自然な音を流しながら仮眠を取ると、眠りにつきやすくなります。仮眠時間は限られているため早く睡眠に入れることがポイントです。
- ・カフェインを摂取する:カフェインは摂取後30分程度で血中濃度が上がってくるため、仮眠前に摂取しておくと起きる時間帯にカフェインの効果が発揮され、目覚めがすっきりします。
上記のポイントを参考に、午後の活動を充実させましょう。
短時間睡眠にこだわると健康被害に発展する可能性もある
活動時間が長いと、仕事の他に趣味の時間が長く取れたり、ゆとりを持って生活できたりするため、ショートスリーパーになりたいと思う人もいるでしょう。
しかし、無理にショートスリーパーになろうとすると、以下のような健康被害が発生する危険性があります。
- ・日中常に眠気を感じる
- ・疲労感が取れない
- ・ストレスの増加
- ・自律神経の乱れ
上記は、睡眠不足が影響して出てくると考えられます。睡眠不足による疲労感は、蓄積していきます。寝不足が続けばその分疲労感も増していくため、注意が必要です。
まとめ
ショートスリーパーになる方法について解説してきました。
ショートスリーパーとは、6時間未満の睡眠時間でも日中の活動や健康状態に影響のない人のことを指します。活動時間が増えることから、ショートスリーパーになりたいと思う人もいるでしょう。
現在、ショートスリーパーには、誰でもなれる説と、遺伝子による体質であり、誰でもなれるわけではない説があります。
今回ご紹介した方法で、絶対にショートスリーパーになれるとは言い切れません。
自分の睡眠パターンを把握して、健康的な睡眠時間を探してみましょう。
よくある質問
Q.ショートスリーパーになれますか?
A.すべての人がなれるとは言い切れません。ショートスリーパーには訓練すればなれる説と、遺伝子によるものである説があり、誰もがなれるとははっきりしないからです。
しかし、睡眠の質を向上させることで、短時間睡眠でも健康を害することなく、日中の活動にも影響しないような工夫ができます。睡眠の質を向上させる方法については「【今夜から始められる】睡眠の質を改善するナイトルーティーン」で解説していますので、参照ください。
Q.無理にショートスリーパーになろうとするとどうなりますか?
A.健康を害するおそれがあります。睡眠不足に陥ると、疲労感の蓄積や自律神経の乱れ、倦怠感など、身体に変化をもたらします。自分にとって最適な睡眠時間を把握すること、そのうえで睡眠の質を向上させて睡眠時間を短くできるか挑戦してみるなど、段階を追って調整していきましょう。