うたた寝とは?
うたた寝とは、「眠るつもりもないまま、うとうとと眠ること」「仮寝」と辞書では定義されています。つまり、寝るつもりはないまま寝てしまうことを、うたた寝と言います。
学生時代の授業中や、仕事の疲労が溜まっている時など、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
うたた寝は、寝落ちのようなもので、睡魔に従ったまま眠るにつけるため非常に気持ちが良いのですが、良い眠り方とは言えません。昼寝や仮眠と同じ扱いをされることもありますが、同じ「眠り」とは言えません。
昼寝、仮眠との違いを詳しく説明していきます。
昼寝、仮眠との違い
昼寝・仮眠と、うたた寝との大きな違いは、「寝ようとしている」のか、「寝ようとしていない」という点にあります。
昼寝と仮眠は睡眠時間に多少の違いがありますが、両方とも寝ようとしている状態です。一方でうたた寝は、寝るつもりがないのに寝てしまった状態のことを指します。
両方とも結局寝るのだから、同じのように感じるかもしれませんが、寝ようとしていないのに寝てしまう状態というのは、体からのサインです。
つまり、うたた寝とは体が寝たいと感じている状態のことを指すため、疲労や睡眠不足、そのほか別の睡眠に関する症状が発生していると言えます。
実際にうたた寝をすることによって発生するデメリットを説明していきます。
うたた寝のデメリット
うたた寝が必要な状態とは、体が睡眠を欲している状態です。うたた寝には仮眠や昼寝と違ってデメリットが発生してしまいます。
デメリットを把握した上で、うたた寝の改善策を実施していきましょう。
夜の睡眠の質を下げる
うたた寝には夜の睡眠の質を下げてしまうデメリットがあります。
うたた寝は、仮眠とは違って深い眠りに入ってしまう恐れがあるため、夜になかなか眠れなくなってしまうことが多いです。
無理に眠りにつこうとして眠れなかったり、浅い睡眠が続いてしまったり、睡眠の質を低下させることになります。
体へ負担がかかる
うたた寝は、無意識のうちに眠ってしまうことが多いため、椅子にもたれかかったままや、机に突っ伏した状態で寝ることが多いです。
そのため、体への負担が大きく、腰痛や肩こり、体の痺れなどの症状を呼ぶ原因となってしまいます。寝る時の体制は睡眠の質に大きく関係するため、しっかりと横になる、もたれかかるなどリラックスできる体制で寝ることが必要です。
うたた寝は睡眠時無呼吸症候群のサイン?
うたた寝から目を覚ました時に、「よだれ」が気になる人はいないでしょうか?
よだれは、睡眠中に口呼吸をしてしまっている方によくみられる特徴です。
口呼吸は、睡眠中の呼吸量の低下を招き、睡眠障害を発症させてしまいます。特に怖いのが睡眠時無呼吸症候群です。
うたた寝から目を覚ました際の体の状態は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を判断する基準にもなります。
口呼吸と睡眠時無呼吸症候群の関係
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中のいびきや無呼吸が頻発することによって発症する病気です。脳や体へのダメージが大きく、危険な病気として知られています。
睡眠時無呼吸症候群は、いびきを原因として発症率が大幅に上昇しますが、いびきの原因となるのが口呼吸です。つまり、口呼吸を放っておくことによって、睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクを大きく高めてしまうことになります。
睡眠時無呼吸症候群については、こちらの記事でも解説していますのでぜひチェックしてみてください。
うたた寝を予防する方法
うたた寝は、前日の睡眠不足や疲労が原因で発生していることが多いです。つまり、十分な睡眠を確保することができれば改善できます。
しかし、そのことを理解していても、生活習慣や仕事、家庭環境によって、夜中に十分な睡眠時間を確保することが難しい方もいらっしゃるはずです。
具体的に、うたた寝の対策を二つご紹介していきます。
睡眠時間の改善
うたた寝を改善するための方法の一つは、前日の睡眠を十分に確保することです。生活の状況から時間の確保が難しい方も多いと思いますが、最も有効的です。
夜中のテレビやスマホ、晩酌などは、翌日のパフォーマンス低下、病気のリスクを踏まえた上でも本当に必要なことでしょうか?
睡眠の優先順位は低くみられることが多いですが、1日のパフォーマンスに直接影響します。よほど重大な用事がない限り、生活の中での優先順位を上げて、しっかりとした睡眠時間を確保するようにしましょう。
仮眠を取り入れる
どうしても昼間に睡魔を感じる場合、うたた寝を回避するために仮眠を取り入れましょう。
仮眠とうたた寝は同じように思われることが多いですが、自分の意志で眠るのと、無自覚のうちに眠っているのでは大きく異なります。
しっかりと10分から30分程度の時間を測って仮眠を取ることで、脳がリフレッシュされ、その後のパフォーマンスが大きく向上します。さらに、短時間の睡眠のため深い睡眠に入ることは難しく、夜中に眠たくならないといったうたた寝のデメリットを回避することが可能です。
10分でも効果は十分感じられるため、昼食後や仕事の切り替えの際に仮眠を取り入れてみてください。
まとめ
うたた寝は、体への負担が大きく、夜の睡眠の質も下げてしまう恐れがあります。
睡魔に従って眠るため非常に心地良く感じるのですが、実はあまり推奨される睡眠方法ではありません。
また、うたた寝から目を覚ました際の自分の体の様子には、病気のサインが現れていることがあるため、意識して起床時の様子を覚えておきましょう。よだれや喉の乾燥を感じた場合、口呼吸の可能性があるので特に気をつけてください。
前日の睡眠時間を十分に確保することが最優先ですが、どうしても難しい場合には、昼食後や仕事の切り替えの際に仮眠を取り入れるようにしましょう。自発的に寝ているのか、無自覚のうちに寝ているのかでは大きな違いがあります。
うたた寝をしているものの、仮眠や昼寝と同じように考えていた方は、しっかりとうたた寝を避け、正しい昼寝や仮眠を取り入れるようにしてみてください。
よくある質問
Q.うたた寝と昼寝の違いは?
A.うたた寝とは無自覚のうちに寝てしまうことを指し、昼寝や仮眠は自発的に寝ることを指します。
Q.うたた寝を続けると睡眠時無呼吸症候群を発症する?
A.うたた寝を続けることが睡眠時無呼吸症候群を発症させることはありませんが、うたた寝から目を覚ました際に喉が渇いていたり、よだれを垂らしていたりする場合は発症している可能性が極めて高いです。