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【あごや首が痛い…】睡眠中の歯ぎしり対策

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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歯ぎしりとは?

歯ぎしりをしている女性のイラスト
歯ぎしりとは、あくびや瞬きと同様に生理現象の一つです。そのため、適度な歯ぎしりには脳や体のストレス解消効果も含み、人間にとって必要な症状です。

ですが、起きている最中の歯ぎしりと、睡眠中の歯ぎしりは別のものであり、睡眠中の歯ぎしりは無自覚のうちに発症しているため、通常よりも頻繁に続く場合、歯や顎、時には身体へ悪影響を及ぼします。

さらに歯ぎしりには複数の種類があり、その種類によって負担が大きく変わります。

グラインディング

歯ぎしりの動作で最も代表的なのが、グラインディングという症状です。

上下の歯を強い力で噛み合わせて擦り付けるように、ギリギリと音が鳴るような動作のことを指します。

歯の磨耗や詰め物の欠損に繋がります。

クレンチング

クレンチングは、歯を強く食いしばる症状です。

歯ぎしりとしてあまり認知されていませんが、音のない歯ぎしりとして、多くの方の歯や顎に悪影響を与えている症状の一つであり、起床時に感じる顎のだるさや疲れはクレンチングによる場合が多いです。

タッピング

タッピングとは、上下の歯をカチカチとぶつけて音を鳴らす症状です。

グラインディングやクレンチングに比べると、タッピングは歯ぎしりの中でも少ないタイプであり、最も歯や顎へのダメージは少ないものの、幼い頃からの癖が原因であることも多いため、軽視することはできません。

良い歯ぎしりと悪い歯ぎしり

生理現象に含まれる歯ぎしりは脳や体へのリラックス効果が確認されており、必要でなことですが、無自覚のうちに行っている歯ぎしりには危険性が潜みます。

無自覚の歯ぎしりとは睡眠中の歯ぎしりのことを指します。つまり、睡眠中の歯ぎしりは生理現象ではありますが、適度な回数と時間を超えた場合歯や顎に負担をかけてしまうということです。

大抵の人は睡眠中に適度な歯ぎしりをしており、その回数や時間は一晩に一回位程度、長さでいえば10分もすれば自然と治ります。

しかし、中には何らかの影響によって歯ぎしりが1時間以上続く方が確認されています。

大人の歯ぎしりと子供の歯ぎしりの違い

過度な歯ぎしりは歯や顎、時には体への悪影響も与えてしまうため、気をつけなければいけません。

ですが、歯ぎしりといえば、子供の頃に特にしてしまうような経験や印象はないでしょうか?

実は、大人になってからの歯ぎしりと、幼少期の歯ぎしりでは大きな違いがあります。

幼少期は、乳歯から永久歯への生え変わりの際に感じる口の中の気持ち悪さを払拭させるために、自然と歯を強くすり合わせたり、噛み締めたりなどの行為をしてしまいます。

ですが、大人の場合は幼少期についた歯ぎしりの癖が抜けていなかったり、歯の噛み合わせが悪かったりなど、後天的な原因が存在するため、改善しなければいけません。

歯ぎしりがもたらす悪影響

炎症を起こしている歯のイメージイラスト
無自覚のうちに発症する過度な歯ぎしりは、歯や歯茎、顎や身体へ悪影響を及ぼします。

睡眠時は力の制御ができないため、食事などで必要な噛む力を大幅に上回る力で歯を噛み合わせたり、食いしばったりなどの歯ぎしりをおこなっています。

そのため、直接的に歯にダメージを与えるだけでなく、歯を食いしばる際に力が入る首や肩にまで影響を及ぼし、頭痛や肩こり、起床時のだるさなどを招いてしまいます。

特に大きな影響が見られるのは、歯・歯茎・顎の三箇所です。

歯への影響

過度な歯ぎしりは、歯の磨耗や詰め物の欠損につながります。

歯がすり減ることや、ヒビがはいるなどの症状も頻繁に見られ、治療中の歯がある場合は治療の回数が増えてしまい、完治までの期間が長くなります。

長期にわたり歯ぎしりを行うことで健康な歯が残りづらくなるため、早期発見と早期治療が大切です。

歯茎への影響

歯の土台となる歯茎への悪影響もかなり大きく、強い歯ぎしりは歯茎を細く痩せさせてしまいます。
歯の土台が弱くなることで、歯ぎしりの負荷に耐えられなくなり、歯茎の腫れや歯周病へと繋がるのが最も代表的な症状です。

細くなった歯茎では歯を支えるための力が足りず、今までより小さい負荷であっても上手く吸収できなくなり、歯がより脆く、壊れやすくなってしまいます。

歯茎の悪化が進むことで、土台が崩れたように歯がぐらつき始め、あっという間に口内の病気が増えてしまい、手遅れになってしまうという場合が多いです。

顎への影響

歯ぎしりは、強い負荷をかけた状態で下顎が前後左右に動いているため、顎への負荷も大きいです。

起床時に顎が疲れていたり、頬がこわばったりなどの症状が見られ、異変には気が付きやすいものの、その原因が歯ぎしりであるとはあまり疑われることがありません。

顎へのダメージが蓄積してしまうと、顎関節症を発症し、私生活で自由に口を動かすことすらままならなくなります。

これらのように、無自覚の歯ぎしりがもたらす悪影響は幅広く、最終的には日常生活に支障をもたらしてしまうケースも見られます。

では一体、なぜ歯ぎしりをしてしまうのでしょうか?

なぜ歯ぎしりをしてしまうのか?

歯ぎしりをしながら寝ている女性のイラスト
上記でも解説した通り、歯ぎしりとは生理現象の一つであるため、無意識のうちにおこなっている場合や、歯ぎしりをしたくなるということがあります。

ですが、それ以外にも歯ぎしりをしてしまう要因は多くあり、そのどれもが生理現象のように良い意味を含んでいるわけではありません。

代表的な例はストレス、歯並びや骨格の問題、睡眠時無呼吸症候群との関係が見られます。そのほかにも生活習慣による原因がいくつかあるため、詳しく解説していきます。

ストレスによる影響

歯ぎしりの原因で最も多いのがストレスです。

生理現象として歯ぎしりには脳や体のリラックス効果が得られるため、私たちは睡眠中にも歯を食いしばるなどの歯ぎしりを行うことで不安やストレスを和らげているのでしょう。

そのため、私生活での過度なストレスは歯ぎしりの頻度を上げ、より長く歯や顎に負荷をかけ続ける原因となります。

歯並びや骨格の問題

一つだけ歯がぶつかっていたり、上下の歯がうまく噛みあっていなかったりなどの場合も無自覚のうちの歯ぎしりに影響します。

起きているときには違和感がない場合でも、睡眠中には違和感を覚えており、無自覚のうちに違和感を解消しようと強い歯軋りをしてしまいます。

また、歯の治療による詰め物の影響で噛み合わせが悪くなり、詰め物がストレスとなって歯ぎしりを発症させることも多く、治療時に違和感を覚えた場合は、面倒であっても歯科医の方に噛み合わせの悪さを訴えなければいけません。

睡眠時無呼吸症候群との関係

歯ぎしり自体に睡眠を阻害する作用はないと言われていますが、睡眠が浅い状態の時に歯ぎしりが起こりやすい傾向があります。

また、いびきなどの症状が見られる方に同時に歯ぎしりの症状見られることが多く、いびきがもたらす睡眠時無呼吸症候群にも歯ぎしりは影響があると言われています。

歯ぎしりをしているから睡眠時無呼吸症候群を発症するとは言えませんが、睡眠時無呼吸症候群を発症する方に、いびきや歯ぎしりの症状が多く見られることは確かです。

そのほか生活習慣による原因

上記で紹介した原因以外にも飲酒や喫煙、生活習慣による肥満なども歯ぎしりを発症させる原因としてよく挙げられます。

これらの症状は肥満やいびき、睡眠中の口呼吸との関連が強く、睡眠が浅くなることによって歯ぎしりを引き寄せることになります。

また、私生活でのストレスが多い方には飲酒や喫煙が多く見られる傾向にあり、どれも生活習慣によるストレスにつながっていると言えるでしょう。

歯ぎしりをする人の特徴

歯ぎしりをしているだんっ性の様子のイラスト
歯ぎしりをする人には、いくつかの共通する特徴が見られます。

一つはこれまで解説してきたように、ストレスを抱えている人です。同様に、今はストレスを抱えていなくとも、ストレスを抱えやすい性格の人や、毎日の仕事が忙しかったり、人間関係にトラブルが多かったりする人などもストレスによって歯ぎしりが多い傾向があります。

そのほかにも、頻繁に運動をする方や、幼い頃からスポーツに深く関わってきた方も、歯ぎしりをする方の特徴です。運動において力を発揮する為に歯を食いしばるのは効率的であり、より高いパワーを発揮する為に欠かせない動作です。

その為、これまで培ったスポーツの影響による癖が大人になった今でも残っているケースがよく見られます。

歯ぎしりの予防と対策

中年男性の歯ぎしりの様子
無自覚の歯ぎしりに気がつくには第三者の指摘が最も効果的であり、自分自身で気がつくのは難しいです。

ですが、起床時の顎の疲れや歯の磨耗など、過度な歯ぎしりをしている方は必ず何かしらの症状が現れています。

自分自身に歯ぎしりの疑いを感じている方や、生活にストレスを感じたり、歯を食いしばったりするなどがある方など、歯ぎしりを発症するケースは幅広く存在しているため、予防と対策も自分自身の原因に合わせて選択しなければいけません。

最も代表的な予防策と対策を、それぞれ紹介していきます。

ストレス解消

無自覚の歯ぎしりを改善するために、ストレス解消は欠かせません。

歯ぎしりをしてしまう原因に最も多く、生活のあらゆる出来事がストレスに繋がります。

仕事や人間関係はもちろん、趣味や家族絡みでもストレスは生まれます。自分の生活にストレスはないか再度確認し、少しずつ取り除いていきましょう。

マウスピース

過度な歯ぎしりの対策として、マウスピースも有効です。
マウスピースを装着することで、歯と歯がぶつからないように噛み合わせを調節することができます。

しかし、マウスピースを装着しての睡眠は、口の中に大きな違和感があるため、逆に眠ることができないといった声が多く、今までと違う位置で顎を固定するため、慣れるまで起床時に顎や首の疲れにつながるといったケースも多いです。

もちろん自分にあった特製のマウスピースを作成した場合これらのデメリットは防ぐことができますが、数万円から数十万円と金額の幅が広く、なかなか手を出せる金額ではありません。

市販のものを使っていつもよりストレスが増えると感じた場合、マウスピースの装着は中止しましょう。

睡眠の質の向上

睡眠の質の低下はいびきや歯ぎしりを発生させやすくします。

十分に睡眠時間が足りていないのか、布団や枕があっていないのか、原因を突き止めるのは難しいかもしれませんが、睡眠の質を改善することでいびきや歯ぎしりの症状が改善されるケースも多いです。

歯列矯正

どの改善策もしっくりこない場合、歯並びや骨格に問題がある可能性が高いです。

幼い頃から歯の噛み合わせが悪いままの状態で大人になることは多く、珍しくありません。その為、歯列矯正は最も的確に噛み合わせの悪さを改善することができるでしょう。

しかし、歯の噛み合わせの悪さだけが歯ぎしりを発症させているわけではありません。そもそも睡眠時の口呼吸や、これまでの歯ぎしりによって歯がすり減っていることが問題であることが多いため、歯列矯正をすれば完全に歯ぎしりの問題がなくなるという解釈は間違いです。

まとめ

熟睡できない女性のイメージイラスト
歯ぎしりとは、生理現象の一つです。脳や体へのリラックスをもたらす症状でもあるため、歯ぎしりをすること自体が悪いことではありません。

しかし、過度な歯ぎしりには注意が必要です。

第三者の声がない限り気がつきにくい歯ぎしりですが、起床時に顎や首の疲れや、なんだか歯がすり減っていると感じた方は、なるべく早く検査をうけるようにしましょう。

無自覚の歯ぎしりを放置しているだけで、歯の欠損や歯周病、顎関節症などの病気を呼び寄せます。歯ぎしりの原因を一つずつ改善していくことも大切ですが、骨格や生まれ持っての体質の可能性もあるため、やはり早い診察が最も効果出来です。

口内の病気は治療が難しく、長引くことが多いですが、一度崩れると歯や顎が関連して新しい症状を次々に引き寄せてしまうため、今回解説したような症状に心当たりがある方は早めに検査を受けるようにしましょう。

よくある質問

Q.睡眠中の歯ぎしりに気付くには?

A.第三者からの指摘が一番効果的ですが、自分自身で気がつくには起床時の顎の疲れや方の重さ、重度の歯ぎしりの場合、気がついた頃には歯が少しすり減っていると実感することもあります。

Q.なぜ睡眠中に歯ぎしりをしてしまうのか?

A.睡眠中は本来上下の歯と歯がぶつからない状態が理想です。ですが、癖や歯の噛み合わせの悪さから上下の歯がぶつかってしまい、その気持ち悪さを改善しようと無自覚のうちに歯ぎしりをしてしまいます。ほかにも、ストレスによって歯を強く噛み締めてしまう方もいます。

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