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睡眠時無呼吸症候群の症状・原因

【夜間頻尿とは?】夜に目が覚めてしまう方の原因をご紹介

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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夜間頻尿とは睡眠中、排尿のために1回以上起きること

お手洗い前、脱ぎ捨てられるスリッパ
夜間頻尿とは、就寝後に1回以上トイレに起きることを指します。年齢を重ねると生じやすく、加齢による自然の摂理だと思われる人もいるでしょう。

夜間頻尿は、尿量がそもそも多い「夜間多尿」と、膀胱に尿を溜めておくことができない「畜尿障害」に分かれています。1日の総尿量のうち、30%以上が夜間の場合は「夜間多尿」に該当し、夜トイレに起きることに悩んでいる人の80%は夜間頻尿タイプだと言われています。
畜尿障害は、膀胱に尿が貯められないため、尿が作られると尿意をもよおすようになります。1回の尿量は少ないのが特徴です。

夜間頻尿による寝不足や、日常生活に支障が出る場合は、何かしらの対処が必要です。
対処法を考えるには、まず夜間頻尿の原因について探ってみましょう。




夜間頻尿の5つの原因

大人がおねしょをするイメージ画像
夜間頻尿には、年齢を重ねることによる身体の変化に加え、病気が隠れている場合もあります。
夜間頻尿の原因を以下の5つに分けて詳しく解説しますので、ご参照ください。

  • ・糖尿病などによる多尿症
  • ・抗利尿ホルモンの分泌低下による夜間多尿
  • ・利尿作用のある飲み物を摂取する
  • ・膀胱に尿を溜められない膀胱機能の低下
  • ・睡眠障害

なかには、日常生活を改善すれば夜間頻尿が解消するような原因も含まれています。自分の夜間頻尿に当てはまる原因がないか、確認してみましょう。

糖尿病などによる多尿症

糖尿病は喉が渇きやすく、水分摂取が過剰になる症状や、末梢神経障害により排尿コントロールができなくなることから、夜間頻尿になると言われています。糖尿病の夜間頻尿は、多尿によるものだと言えるでしょう。

その他、高血圧や心臓の病気によって体内に水分を溜めこみやすい人には、尿で体内の水分を排出するように利尿剤が処方されます。利尿剤により、尿を出そうと身体が反応するため、尿量が増えることから自然とトイレに行く回数も増えます。
利尿剤を処方する場合は、夜間トイレが近くならないよう朝内服するように指示される場合が多いです。

抗利尿ホルモンの分泌低下による夜間多尿

抗利尿ホルモンとは、尿が作られないよう腎臓に作用するホルモンを指します。人の身体は昼間尿を作り、排出され、夜は尿を作らないよう調整されていることから、夜間は尿意をもよおさないように作られています。

しかし、加齢に伴い抗利尿ホルモンは低下し、夜間でも尿が作られやすくなるため、年齢を重ねると夜トイレに起きるようになります。夜間頻尿に悩んでいる人は、50歳以上では2人に1人が悩んでいると言われており、年齢を重ねると起きる現象とも言えるでしょう。

利尿作用のある飲み物を摂取する

利尿作用のある飲み物には、以下の成分が含まれています。

  • ・アルコール
  • ・カフェイン
  • ・カリウム
成分 代表的な飲み物 メカニズム
アルコール ・ビール

・ワイン

・果実酒

・抗利尿ホルモンの分泌を抑えて尿の生成が活発になる

・体温を上昇させて汗や呼吸から水分が出てしまう

・摂取した分だけ利尿作用が働くため注意が必要

カフェイン ・コーヒー

・玉露

・エナジードリンク

・ココア

・体内の老廃物を外に排出しようとする働きがある

・利尿作用によって脱水になる可能性がある

カリウム ・野菜ジュース

・豆乳

・野菜や果物に多く含まれる成分で、体内の塩分を尿と一緒に排泄する働きがある

・過剰に摂取し過ぎると、塩分が排出され過ぎて脱水や疲労感につながるため注意が必要

利尿作用のある飲み物と聞くと、アルコールやカフェインはイメージできますが、カリウムを多く含むものも実は利尿作用がある飲み物であると分かりました。

上記の中に習慣的に飲んでいるものがあれば、夜間頻尿につながっている可能性がありそうです。

膀胱に尿を溜められない膀胱機能の低下

膀胱に尿を溜められない状態は、畜尿障害と言われる状態です。
排尿障害には、大きく分けて膀胱に尿を溜められない畜尿障害と、尿を出しきれない排出障害があります。詳しい内容は、以下をご参照ください。

排尿障害の種類 メカニズムや症状 代表的な病気
畜尿障害 ・膀胱や排尿に関わる筋肉の過活動

・膀胱出口の抵抗が弱くなる

・尿道を閉じておく圧力の低下

・過活動膀胱

・腹圧性尿失禁

・切迫性尿失禁

・混合性尿失禁

排出障害 ・尿を排出する際の筋肉の低下

・膀胱の出口の抵抗増加

・残尿感がある

・排尿後に無意識に尿が出てしまう

・膀胱収縮障害

・尿道通過障害

上記の原因は、加齢や手術の影響、前立腺肥大などが挙げられます。

睡眠障害

「眠りが浅く夜中に目が覚めてしまう」「睡眠時間が短い」など、睡眠障害により目が覚めたらトイレに行きたくなることがあります。

尿意により眠りが浅いのか、夜中に目が覚めてしまうからトイレに行っているのかが分からない場合は、睡眠障害を引き起こしている原因がないか考えてみましょう。

  • ・睡眠時無呼吸症候群
  • ・むずむず脚症候群
  • ・周期性四肢運動障害
  • ・うつ病などの精神的なもの

上記の病気は、睡眠障害を引き起こす原因となるものです。睡眠障害が解消されれば、夜間頻尿も改善される場合があるため、確認してみましょう。




夜間頻尿による3つの危険

高齢者の転倒事故
夜間頻尿になることで考えられる以下の3つの危険について紹介します。

  • ・睡眠不足
  • ・転倒
  • ・生命予後を左右する病気

夜間頻尿は、重大な病気が隠れているという危険性もあります。当てはまっていないか確認してみましょう。

睡眠不足

夜中に目が覚めてトイレに起きた後、眠れなくなってしまうと、睡眠不足になりがちです。
睡眠の質が落ちると、集中力が低下したり眠気を感じたりなどで、日中の活動に影響を及ぼします。

また、夜間頻尿が習慣化されてしまうと「またトイレに行きたくなるだろうか」「さっきも行ったけど大丈夫かな?」とトイレのことばかり気にして眠りが浅くなることも考えられます。
夜トイレに起きてその後眠れない場合や、昼間に眠気を感じている場合は、睡眠不足に陥っているため、夜間頻尿について医師に相談しましょう。

元々眠りが浅いうえに、トイレが気になって眠りにくい場合も受診して薬を飲んでみたり、日常生活を見直したりすることで解消されるかもしれません。

転倒

寝起きでウトウトしているときにトイレまで歩き、転倒する恐れがあります。
高齢者の転倒は、骨折や打撲など大きなケガにつながりがちです。骨折してしまうと、入院や手術が必要になる場合や、元通りに歩けず杖や車いすが必要になる場合も珍しくありません。

高齢者の夜間頻尿には、十分な注意をはらい、トイレまで手すりやライトを設置するなど、転倒予防の対策が必要です。

生命予後を左右する病気

夜間頻尿が気になり受診した結果、重大な病気が見つかることもあります。以下の病気は、夜間頻尿と深い関わりがあるため、確認しましょう。

病気
糖尿病 コントロール不良で血糖値が高い状態が続くと過活動膀胱になり、夜間頻尿になる
腎臓病 ・腎臓のろ過機能が悪くなり、水分摂取後や食後の速やかな排泄が困難となる

・排泄の時間帯が遅くなることから、夜間でも尿意をもよおすことがある

脳血管障害 ・脳出血や脳梗塞、パーキンソン病などでは、膀胱のコントロールが効かなくなる

・脳からの指令がうまく機能しないことから夜間頻尿につながる危険性がある

睡眠時無呼吸症候群 ・寝ているときの無呼吸により、体内の酸素が減少することで様々な病気を引き起こす

・睡眠時無呼吸症候群により夜間頻尿になっている人も珍しくない

上記の病気は、生活習慣病の一種であり、夜間頻尿をきっかけに判明する病気でもあります。夜間頻尿が気になる人は、早めの受診がおすすめです。




夜間頻尿を解消する6つのポイント

ブロックでできたPOINTとノートとペン
夜間頻尿は、日常生活において以下の6つのポイントを守れば解消される可能性があります。

  • ・水分の摂り過ぎに注意する
  • ・塩分を控える
  • ・足のむくみの解消
  • ・夕方軽く運動する
  • ・部屋の温度や湿度を適切に保つ
  • ・排尿日誌をつけて自分の排尿パターンを把握する

ひとつひとつ解説します。

水分の摂り過ぎに注意する

体内の水分は、汗をかいたときや排尿に加えて、呼吸や皮膚からも蒸発しています。
1日の水分摂取の目安は明確には決められていませんが、排泄される分摂取しないと脱水になりますし、過剰に摂取すると、夜間頻尿につながります。
心臓や腎臓の病気により水分が制限されている人は、医師に指示されている制限量を守るようにしましょう。

また、寝る前にコーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲料や、アルコール飲料を飲むと夜間頻尿につながるため、注意が必要です。
寝る前の過剰摂取を控えれば、夜間頻尿は解消されるでしょう。

塩分を控える

塩分を過剰に摂り過ぎると、喉が渇くことで水分摂取量が増えます。また、摂り過ぎてしまった塩分を排出しようと尿量が増えることから、夜間頻尿につながります。普段の食事について、以下の点を注意して、塩分を過剰に摂取しないよう注意しましょう。

  • ・みそ汁やラーメンの汁は飲まない
  • ・味付けに酢やレモン汁、しょうが、わさびなど塩分を使用していない素材でアクセントをつける
  • ・漬物、加工食品は塩分が多いため、摂取を控える

上記以外にも減塩方法は様々あるため、自分に合った減塩方法を試してみましょう。

足のむくみを解消しておこう

足がむくんでいる場合、夜横になるとむくみの水分が血管内に戻り、尿として排泄しようとするため、夜間頻尿になります。
日中足がむくんでいるときは、足をクッションなどで高くして横になり、むくみを解消しておきましょう。

夕方軽く運動する

夕方の散歩は、むくみの解消に加え、気分転換にもなるため、ストレス解消や運動不足解消につながります。
身体を動かせば、睡眠の質がよくなることで夜間頻尿を気にせず朝までぐっすり眠れるでしょう。

散歩はもちろん、ダンベルを使った筋肉トレーニングやスクワットも、下半身の筋肉を動かすことでむくみの解消につながります。
自分に合った運動方法を取り入れてみましょう。

部屋の温度や湿度を適切に保つ

寝室の温度や湿度を調節し、快適な環境を作ることでよく眠れるようになり、夜間頻尿の改善に役立ちます。
特に冬は寒さからトイレの回数が増えたり、乾燥により水分摂取量が増えたりするため、夜間頻尿になりがちです。
以下の表を参考に、寝室の環境を整えてみましょう。

季節 温度 湿度
28℃ 50~60%
16~19℃ 50%

夏と冬ともに、冷暖房器具や加湿器を使用しながら眠りやすい環境を整え、夜間頻尿の改善を目指しましょう。

排尿日誌をつけて自分の排尿パターンを把握する

自分の夜間頻尿の原因を把握するために、排尿日誌をつけるのをおすすめします。
日誌に記録する内容は、以下の通りです。

  • ・排尿した時間
  • ・尿量
  • ・排尿回数
  • ・寝てからの尿量と起きている間の尿量
  • ・起床時間
  • ・就寝時間

排尿日誌をつける前に、尿量が測定できるよう計量カップを用意しましょう。
上記を調べることで、夜間尿量の割合やトイレに通う頻度が分かり、自分の夜間頻尿の傾向が見えてきます。
できれば、その日に飲水した飲み物の種類や量も記載できると更に詳しく原因が突き止められるでしょう。




受診の目安は生活に支障があるかどうか

医療従事者が並んでいる写真
年齢を重ねることで、膀胱の機能が低下したり、前立腺肥大があったり、眠りが浅くなったりするなどが原因で、夜間トイレに起きてしまうのは老化現象のひとつと言えます。
しかし、一晩にトイレに行く回数が2回以上だったり、トイレに行った後眠れず寝不足になったりするほどの夜間頻尿は、病気が隠れている可能性が考えられます。

排尿は毎日のことであり、無理してトイレに行くことで転倒や失禁して自尊心を傷つけてしまう可能性もあるため、早めに受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群についてはコチラの記事でも解説していますので是非チェックしてみてください。

まとめ

フィットネスをする元気なシニア女性
夜間頻尿は、元々尿量が多い夜間多尿と、膀胱の機能が低下して尿を溜めておけなくなる畜尿障害に分かれています。
自分がどれに該当するのか、排尿日誌をつけてみると傾向が分かるため試してみましょう。

また、日常生活の見直しによって夜間頻尿が改善できる可能性もあります。この記事での内容を参考に、自分の夜間頻尿について、考えてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

Q.夜間頻尿とはなんですか?

A.就寝後にトイレに行く回数が1回以上ある状態のことを指します。夜間頻尿には、夜でも尿量が多い「夜間多尿」と、膀胱機能の低下により尿が貯められない「畜尿障害」があります。いずれも排尿日誌をつけることで、自分の傾向が見えてくるため、気になる人は排尿日誌をつけてみましょう。

Q.夜間頻尿の治療方法はありますか?

A.夜間頻尿の原因が病気にあった場合は、医師の指示のもと治療を行います。夜間頻尿の原因となる病気の代表として、睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。睡眠時無呼吸症候群については、こちらの記事も参照ください。【睡眠時無呼吸症候群の定義とは?】ガイドラインを分かりやすく解説

加齢や生活習慣によって引き起こされているものは、生活習慣の改善が必要です。
アルコールやカフェインを大量に摂取する人は、利尿作用が働きトイレが近くなりがちになることから、夕方以降摂取を控えましょう。また、塩っ気の強い食事を好む人も塩分の摂り過ぎにより体外に排出しようと尿が大量に作られます。塩分を控えた食事を心がけ、過剰に尿が作られないようにしましょう。

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