ナイトルーティンにはどんな効果がある?
入眠儀式とも呼ばれるナイトルーティンには、おもに2つの効果があります。
- ・寝つきが良くなる
- ・睡眠の質が向上し、朝の目覚めが良くなる
ナイトルーティンで副交感神経を優位にさせてあげると、スムーズに眠りにつけるようになります。なかなか寝付けなくて悩んでいる方は、ナイトルーティンを取り入れてみましょう。一連のルーティンを終える頃には、穏やかな気持ちになり、寝つきやすくなっているはずです。一日頑張った身体や心を労わり、リラックスモードに切り替えてベッドに入りましょう。
また副交感神経が優位になると、睡眠の質が向上します。夜中に何度も目が覚める、浅い眠りで寝た気がしないなどと悩んでいる方も、深い眠りにつける可能性があります。良質な睡眠は、精神的な安定や疲労回復、生活習慣病の予防などにも効果的です。
これまでと同じ睡眠時間でも、朝気持ちよく起きられるようになるでしょう。
おすすめのナイトルーティン・運動編
ナイトルーティンには、身体に働きかけるものと精神的にアプローチするものがあります。どちらが優れているということはありません。好みや悩みに合わせて取り入れると良いでしょう。
まずは軽い運動で、深層体温を上げてくれるナイトルーティンを紹介します。
ストレッチ
疲れているのに運動なんて…とひるむ方もいるかもしれませんが、寝る前のストレッチは疲労回復や血行促進に有効です。老廃物の流れを良くしてくれるため、脚のむくみ解消や美肌にも効果が期待できます。
最近ではYouTubeでも、多くのストレッチ動画が配信されていますよね。「寝る前 ストレッチ」や「ナイトルーティン ストレッチ」などで検索してみましょう。
初心者向けや身体の硬い人に向けた動画も多いです。軽いストレッチは効果があるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、むしろハード過ぎるストレッチは、安眠に逆効果です。無理なく取り組める簡単なストレッチを、毎日のナイトルーティンにしてみましょう。
ヨガ
簡単なヨガも、ナイトルーティンにおすすめです。身体の疲れをほぐし、自律神経の働きを整えられます。
またヨガでは腹式呼吸を基本としているため、深い呼吸で心も落ち着けられるでしょう。身体の声に耳を向け、頑張った自分を労わってあげましょう。
おすすめの夜ヨガポーズには、キャットアンドカウやチャイルドポーズなどが有名です。リラックスや自立神経の調整に効果があります。ヨガもYouTubeでたくさん配信されているので、「夜ヨガ」や「寝る前ヨガ」で検索し、挑戦してみましょう。
おすすめのナイトルーティン・ストレス解消編
ストレス社会といわれる現代で、ストレスを抱えずに生活できている人はほぼ皆無でしょう。誰しも大なり小なりストレスを感じています。
しかし過剰なストレスは、眠りを妨げたり、睡眠の質を低下させたりしてしまいます。それほど強いストレスを感じていなくても、毎日のナイトルーティンでリセットしておきましょう。
日記をつける
手帳術やノート術などが話題になっています。忙しい現代人は、自分の気持ちと向き合う時間すら確保できない傾向にあるのでしょう。
自分の本心に蓋をしていると、知らず知らずのうちに心の安定も揺るがしてしまいます。ぜひ日記をナイトルーティンにして、一日のストレスを吐き出してあげましょう。他人には話せない愚痴や弱音も、日記なら素直に記せるはずです。
また自分の気持ちを「書く」ことで、客観的にものごとを分析できます。頭の中のモヤモヤを整理できると、穏やかな気持ちになります。
「何を書いたらいいのか…」と戸惑う人もいるでしょう。深く考える必要はありません。その日に合った出来事のうち、嬉しかったことや悲しかったこと、明日頑張りたいことなどを思いつくままに書きましょう。
読書
読書は、普段本を読む習慣がない人にも、ぜひ試してほしいナイトルーティンです。読書にはストレスを軽減する効果があると言われています。
自分の興味のある分野の本を読めば、精神的な安定が期待できるでしょう。小説であれば、本の世界にのめり込めるため、現実逃避もできます。結果としてリラックスにつながり、安眠できるようになるでしょう。
最近では本を読まなくても、ネットで情報が入手できる時代です。しかしスマホやタブレットから発せられるブルーライトは、安眠を妨げます。また断片的な情報で集中できないため、寝つきを促す効果は期待できません。
好きな音楽を聴く
音楽が好きな人は、好きな音楽を聴いてリラックスタイムを過ごしましょう。
好きな音楽といわれてもピンとこない人には、穏やかな音楽がおすすめです。クラシックやオルゴールミュージック、自然音が入ったBGMなどを探してみましょう。YouTubeはもちろん、睡眠用のスマホアプリでも、入眠に適した音楽が見つかりますよ。
アップテンポな音楽は逆にテンションを上げてしまう可能性があるため、おすすめできません。
おすすめのナイトルーティン・リラックスタイム編
ここまでにも解説したとおり、安眠にはリラックスが重要です。リラックスを目的としたナイトルーティンのうち、おすすめの3つを紹介します。
アロマを焚く
アロマオイルにも、リラクゼーション効果があります。とくに鎮静効果のあるアロマを寝る前に嗅ぐと、心が落ち着き、眠りにつきやすくなるといわれています。
安眠におすすめのアロマには、ラベンダーやベルガモット、オレンジスィートなどが有名です。イライラした気持ちや不安に押しつぶされそうな心を、アロマの力で落ち着かせてくれます。
ディフューザーやアロマポットを使ったり、ハンカチや枕カバーに染み込ませたりして、芳香浴を楽しみましょう。バスタブに数滴垂らして、アロマバスにするのもおすすめです。
ハーブティー
ハーブティーにもリラックス効果があるため、熟睡や安眠が期待できます。
おすすめは、ジャーマンカモミールやレモンバーム。鎮静作用のあるハーブティーで、イライラや不安を抑えてくれます。とくにストレスを感じていないときでも、ハーブティーを飲むと睡眠の質を高めてくれますよ。
ただし寝る直前に飲みすぎると、トイレで目が覚めてしまう可能性があります。中途覚醒の傾向がある人は、とくに注意しましょう。
深呼吸
日中、神経を張り詰めて仕事している人は、無意識のうちに浅い呼吸になっている可能性があります。浅い呼吸は交感神経を優位にし、リラックスとは反対の方向へと導いていしまうのです。
寝つけないと悩んでいる人は、意識的に深い呼吸をしてみましょう。横隔膜の周囲には自律神経が集中しているため、深呼吸すると自律神経が刺激されます。その結果、副交感神経が優位になり、快眠へと導いてくれるでしょう。
ゆっくりと鼻から息を吸い、ゆっくりと口から吐きます。息を吸った時間より、吐く時間を長くするように心がけると、さらに副交感神経を優位にできます。
深呼吸は寝る前以外にも取り入れてほしい習慣のひとつです。仕事の合間やストレスを感じたとき、スキマ時間を利用して深呼吸しましょう。メンタルが安定し、寝つきの悪さや中途覚醒、早朝覚醒などのお悩みが解決する可能性があります。
おすすめのナイトルーティン・入浴編
良質な睡眠を求めるなら、深層体温にも注目してください。体内の深い部分の体温が下がると、眠くなりやすいからです。入浴で一度体温を高めると、自然と体温が下がって眠くなります。シャワーだけで済ませている人は、浴槽にお湯をため、身体を温めてあげましょう。
寝る2時間前が理想
入浴するタイミングは、寝る2時間前がベストです。
入浴で体内の深層体温が上がると、交感神経が高まって興奮した状態になります。すぐにベッドに入っても、なかなか眠くなりません。眠りたい時間の2時間前に入浴し、深層体温を一度高めておくと、ちょうど体温が下がって眠気を感じやすくなります。
「ではシャワーでサッと済ませて、体温を上げない方が寝つきには良いのでは?」と感じた方もいるでしょう。実は入浴による体温の上昇や低下が、寝つきには重要です。一定の体温のままで眠りにつこうとするより、一度しっかり温めてから、クールダウンした方が眠りにつきやすいといわれています。
温度はぬるめが◎
先述したように、入浴には体内の深層体温を上げる効果があります。ただし42℃以上の湯船に浸かると、交感神経が優位に働き、スムーズな眠りを妨げます。
快眠のためには、38~40℃のぬるめの温度が最適です。仕事や学校のことは一旦忘れてリラックスし、身体を癒してあげましょう。
お気に入りの入浴剤やマッサージグッズを持ち込むのもおすすめです。
今すぐ止めたいナイトルーティン
試してほしいナイトルーティンとともに、今すぐ中止してほしい習慣があります。無意識のうちにルーティン化している夜の習慣があるかもしれません。
一日頑張ったご褒美に、晩酌が習慣になっている人も多いでしょう。アルコールはストレスを解消してくれたり、食事を一層美味しくしてくれたりと、さまざまなメリットがあります。しかしアルコールは交感神経の働きを高め、快眠を妨げます。
同様にコーヒーや紅茶に含まれるカフェインの摂取も、注意が必要です。過剰摂取は睡眠の質を下げたり、精神的な安定を揺るがしたりするリスクがあるからです。
また、寝る前のスマホタイムが習慣になっている人も多いでしょう。スマホは、脳を活発にするブルーライトを発しています。ベッドでスマホを見るのがナイトルーティンになっている人は、寝室にスマホを持ちこまないようにするか、スクリーンタイムを設定しましょう。
まとめ
ナイトルーティンには、入眠をスムーズにしたり睡眠の質を上げたりする効果があります。
ルーティンとはいっても、特別なことをする必要はありません。リラックスできる過ごし方や眠気を促す行動を取り入れるだけなので、今日からすぐに挑戦できます。
毎日続けるうちに、眠りに関するお悩みを解決できるかもしれません。また習慣化は自己肯定感も上げてくれます。
同時に、睡眠の質を下げるナイトルーティンになっていないかも、チェックしてみましょう。毎日の晩酌やベッドでのスマホタイムは、安眠を妨げている可能性があります。
ぜひ無理なく続けられるナイトルーティンを見つけて、毎日を活動的に過ごしてくださいね。
よくある質問
Q.おすすめのナイトルーティンは?
A.軽い運動や心を落ちつける行動が、ナイトルーティンに適しています。ストレッチやヨガ、日記や読書が精神的な安定やストレス解消にもつながるためおすすめです。
Q.寝る前に避けた方が良い行動は?
A.就寝前のスマホタイムはとくに注意。夜遅くにブルーライトを浴び続けていると、体内時計が乱れて眠れなくなります。ブルーライトが睡眠に与える影響については「【覚醒しちゃう!】ブルーライトが睡眠にもたらす影響とは?」にて解説しています。