夜寝ている時や寝起きに足がつった!対処方法3選
夜寝ている時、あるいは朝起きた時に突然足がつると、驚いてとっさに対処できないこともあるでしょう。
突然足がつった時にすぐできる、以下の3つの対処方法を紹介します。
- ・つった部分が伸びるようにストレッチ
- ・つっている部分を優しくマッサージ
- ・ホットタオルや湯たんぽで温めるのも効果的
本記事で紹介した方法を覚えておけば、突然足がつっても慌てずに対処できるため、ご参照ください。
つった部分が伸びるようにストレッチ
足がつったと言っても、様々な筋肉があり、部位によって痛む場所が異なります。つっている部分を伸ばすようにストレッチをすると解消されます。
足の筋肉でつりやすい部位と、部位ごとのストレッチ方法について、以下の表をご参照ください。
筋肉名 | 具体的な場所 | ストレッチ方法 |
---|---|---|
腓腹筋 | ふくらはぎの一番外側にある筋肉 | ・膝を軽く曲げて足の指先を持つ ・ゆっくり足の指先をお腹に近づけるように反らす ※足の指先がつかめない場合は、以下の方法でも同様の効果が得られる ・タオルを足裏にかけて手前に引っぱる ・足の裏を壁につけて伸ばす |
ヒラメ筋 | 腓腹筋の内側にある筋肉 | |
前脛骨筋 | 足の前側、脛(すね)にある筋肉 | ・正座をする ・立って足のつま先を持ちかかとをお尻につける |
大腿四頭筋 | 太ももの前側にある筋肉 | ・うつぶせになる ・かかとをお尻につけるように膝を曲げる |
ハムストリングス | 太ももの後ろ側にある筋肉 | ・仰向けになる ・つっている方の足を天井に向けて挙げる |
ストレッチのポイントは、つっている部位が伸びていると感じることと、ゆっくり行うことです。いざという時のために、覚えておきましょう。
つっている部分を優しくマッサージ
足がつった場合は、上記のストレッチとともに以下の方法でマッサージをすると、足のつりが解消されます。
- ・つっている部分を足先から根元に向けて手のひらでこするようにマッサージする
- ・足首を回したり、膝の裏を揉んだりすると血流がよくなり足のつりが解消されやすい
血流を促すようなイメージや筋肉をほぐす感覚でマッサージをすると、つりが解消されやすいです。
足のつりが強く、痛みでストレッチができない場合は、上記のマッサージをして緩和されてからストレッチするのも有効ですので、お試しください。
ホットタオルや湯たんぽで温めるのも効果的
足がつった時は、ホットタオルや湯たんぽなどで温めるのがベストです。近くに家族やパートナーがいる場合は、用意してもらいましょう。
つっている部位にホットタオルを当てると、筋肉の緊張がほぐれ、つりが緩和されます。
温めるのと同時に、マッサージやストレッチをするとさらに効果的です。
温めるアイテムは、ホットタオルが簡単に用意できるためおすすめです。ホットタオルの作り方を2種類ご紹介します。
- ・電子レンジで作る:タオルを水で濡らしてかたく絞り、ラップや袋などに包んで電子レンジで30秒~1分加熱する
- ・お湯で作る:45~50℃のお湯にタオルを濡らして絞る
いずれも加熱したタオルは熱くなるため、火傷に注意しましょう。
また、ホットタオルをつっている患部に直接当ててしまうと、足が濡れてしまい冷めた時に再びつってしまう可能性があります。ビニール袋やジッパー付きの袋などに入れて使用しましょう。
夜寝ている時や寝起きに足がつる5つの原因
夜寝ている時や寝起きに足がつる原因は、以下の5つが考えられます。
- ・身体を冷やすことによる血行不良や筋肉の緊張
- ・日中いつも以上に身体を動かした
- ・就寝中の脱水
- ・加齢による筋肉量の減少
- ・姿勢が悪い
足のつりは、様々な原因で引き起こされます。原因を知ることで、つりやすい状態かを判断できるため、ご参照ください。
身体を冷やすことによる血行不良や筋肉の緊張
足のつりは、筋肉が過度に緊張してけいれんを起こした状態であり、血行不良により引き起こされます。
夜寝ている間は、以下の条件から血行不良が促進され、足がつりやすいと考えられています。
- ・体温が低下している
- ・昼間ほど身体を動かさない
- ・心拍数が少ない
- ・夜間の脱水
昼間と比較すると、身体が活発に動いていないので、血行不良になり足がつりやすくなります。また、寝ている間に汗をかいても水分補給をしないため、脱水になっていることが多々あります。
夜は、血行不良になりやすい条件がそろっていると言えるでしょう。
日中いつも以上に身体を動かした
日中いつも以上に身体を動かした日は、筋肉が疲労しており、足がつりやすい状態です。特別な運動だけではなく、以下のような場合でも夜寝ている時に足がつる可能性があるため、確認しておきましょう。
- ・普段座り仕事の人が立ちっぱなしで作業した
- ・週末ゆっくり過ごし月曜日の仕事で動き回った
- ・準備運動が足りないまま激しい運動をした
普段の生活でも、いつもと違う筋肉を使ったり、元々体力を使う職業の人が数日ゆっくり過ごした後にいつも通り仕事をしたりすると、筋肉に負担がかかります。
特別な運動をした日はもちろん、普段から足がつらないように予防しておくことが重要です。
就寝中の脱水
人は寝ている間にコップ1杯ほどの汗をかくと言われており、気付かないうちに脱水症状になりやすいです。
脱水が足のつりと関係している理由は、以下の通りです。
- ・脱水により血行不良になっている
- ・汗をかくことで電解質(ナトリウムやカリウムなど)が失われ筋肉の働きを調節できない
電解質は、筋肉の働きを調節する役割を担っています。汗とともに電解質が体外へ排出されることで、筋肉の働きを調節できず、足のつりにつながると考えられます。
加齢による筋肉量の減少
加齢により運動量が減少するとともに、筋肉の量も減少します。筋肉が減少すると、以下のような状態になると考えられます。
- ・筋肉が血行不良を起こす
- ・少ない筋肉で身体を動かすことで過度に負担がかかる
- ・筋肉の働きが調節しにくくなる
また、加齢により神経伝達物質の分泌が減少し、足の筋肉を動かす命令がうまく機能せず、筋肉が緊張して足のつりに発展します。
筋肉量を減らさないように、普段から適度に身体を動かしましょう。
姿勢が悪い
猫背や腰の反りが癖になっている人は姿勢が悪く、下半身に負担がかかり、足がつりやすいです。
姿勢が悪い人は骨格が変形しており、身体を支えるため腰や下半身の筋肉のバランスが崩れています。
そのため、下半身に過度な負担がかかることで筋肉が疲労し、足がつりやすくなります。
また、骨格が歪んでいると神経を圧迫している可能性が考えられます。神経の圧迫が原因で、筋肉の働きが調節できず、足がつってしまうのです。
姿勢の悪さと足のつりは一見関係なさそうに思えますが、密接に関わっています。姿勢が悪いと指摘されている人で足がつりやすい人は、姿勢が原因かもしれません。
足がつらないように普段からできる5つの予防方法
足がつるのは、痛みを伴い苦痛を感じるとともに、眠りの妨げにもなるため、つらないように予防することが重要です。普段からできる予防方法を5つ紹介します。
- ・筋肉の働きを調節するビタミンやミネラルを積極的に摂取する
- ・適度に運動する
- ・普段以上に身体を動かした場合はしっかり筋肉をほぐす
- ・湯船に浸かって身体を温める
- ・寝る前にスポーツドリンクを飲む
上記の予防方法を実践することで足のつりを予防し、朝までぐっすり眠れるためご参照ください。
筋肉の働きを調節するビタミンやミネラルを積極的に摂取する
筋肉はビタミンやミネラルなどで働きが調節されているため、積極的に摂取することで筋肉が正常に働き、足のつりを予防できます。
筋肉の働きに関係する主な成分や働き、摂取できる代表的な食材について以下の表をご参照ください。
成分名 | 働き | 代表的な食材 |
---|---|---|
ビタミンD | 筋肉の合成を促す | イワシ、サンマ、しらす干し、ブリなど ※日光に当たることでも合成される |
ビタミンB1 | 筋肉の疲労を回復する | 豚肉、ごま、大豆、小豆、落花生など |
ビタミンB2 | 豚・牛・鶏のレバー、焼きのり、干し椎茸、アーモンドなど | |
ビタミンB6 | にんにく、ピスタチオ、まぐろなど | |
マグネシウム | 筋肉の収縮を抑える | あおさ、干しエビ、発芽玄米、切り干し大根、きなこなど |
カルシウム | ・筋肉を収縮させる ・筋肉へ指令を出す神経伝達物質に関与している |
牛乳、ヨーグルト、小魚、高野豆腐など |
ビタミンやミネラルをバランスよく摂取し、筋肉の働きを正常な状態にしておきましょう。
適度に運動する
運動不足になると、筋肉量が減少するため足がつりやすくなります。
自分の体力に応じて、無理のない範囲でウォーキングやサイクリングなどの運動をしましょう。
ただし過度な運動は、さらに足がつりやすくなるため注意が必要です。運動前に膝の屈伸や足首を回すなどの準備運動をしましょう。運動後は、太ももやふくらはぎをマッサージして、筋肉の疲労を解消させておくと、足のつり予防に効果的です。
普段以上に身体を動かした場合はしっかり筋肉をほぐす
ハイキングに行ったり、買い物でショッピングモール内を歩き回ったりなど、いつも以上に身体を動かしたと感じた時は、足の筋肉をマッサージしてほぐしましょう。
いつも以上に身体を動かした分、筋肉にも疲労が溜まっています。そのまま寝てしまうと、筋肉の緊張がほぐれず足がつりやすくなります。
筋肉をほぐすストレッチ方法については、以下をご参照ください。
- ・膝を伸ばして座り、足の指先をつかんでお腹側に引っぱる
- ・壁に手をついて足を前後に開き、前側の足の膝を曲げる(後ろ側の足のふくらはぎが伸びている感覚があるか確認する)
上記2種類のストレッチ方法は、ふくらはぎや太ももを伸ばしているイメージで行うとよいでしょう。
また、お風呂の中でふくらはぎや太ももを揉むのも効果的です。併せて試してみてください。
湯船やレッグウォーマーで身体を温める
入浴は、湯船に浸かることで身体が温まり、血行が促進され、足のつりを予防できます。血行が促進すると、筋肉の緊張がほぐれるため、足がつりにくくなるからです。
また、レッグウォーマーを着用すると寝ている時に足が保温され、つるのを予防できるためおすすめです。しかし、靴下は熱の放出が不十分となり寝つきが悪くなる原因になってしまいます。
靴下ではなく、レッグウォーマーを使用しましょう。
寝る前にスポーツドリンクを飲む
寝る前にスポーツドリンクを飲めば、水分とミネラルを摂取できます。就寝中の脱水を予防でき、ミネラル類の減少を抑えられるので足のつりが予防できます。
コップ1杯程度のスポーツドリンクを摂取することで効果があるため、ぜひ実践してみてください。
ただし、飲み過ぎはカロリーや塩分の摂り過ぎになるため注意しましょう。
足がつるのは病気の可能性もある!?考えられる病気とは?
毎日のように足がつって悩んでいる人は、病気の可能性も考えられます。足のつりが見られる病気として、以下の5つが挙げられます。
- ・糖尿病
- ・腎不全
- ・閉塞性動脈硬化症
- ・脳梗塞
- ・下肢静脈瘤
足がつる以外に見られる症状を紹介します。自分に当てはまっていないか、確認しましょう。
糖尿病
糖尿病は、食後の血糖値が下がらず、上昇したまま経過することで様々な合併症を引き起こします。
血糖値を下げるインスリンの分泌が減少している場合が多く、生活習慣病の代表的な病気です。
糖尿病の合併症のひとつである神経障害により、血行不良となり足がつりやすくなります。
糖尿病には、口の渇きや体重減少、身体のだるさ、尿量の増加などの症状が見られます。足のつりの他にこのような症状が見られる場合は、病院を受診しましょう。
腎不全
腎不全は、腎臓の働きが低下し、老廃物の排出ができなくなっている状態です。
老廃物には、過剰なナトリウムやカリウムなども含まれています。正常な人では尿で排出されるものが、腎不全になると排出されずに体内に蓄積されてしまいます。すると、電解質のバランスが崩れ、足がつりやすくなると考えられます。
腎不全は足のつりの他に、頻尿や血尿、むくみなどが見られますので、気になる人は病院を受診しましょう。
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症は、手や足の動脈が硬くなることで細くなったり、詰まったりする病気を指します。血流が滞るため、足がつりやすくなります。
閉塞性動脈硬化症は、手先や足先に血液や栄養がまわらなくなるので、足のつりの他に、手先・足先の冷えや手足が白くなる、痛みなどの症状が見られます。
寝た状態で両足を天井向けに上げ、30秒~1分様子を見て足が白くなった場合は閉塞性動脈硬化症の可能性があるため、病院を受診しましょう。
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気です。自覚症状がなく、いつの間にか発症しているケースも珍しくありません。気付かないうちに脳梗塞を起こしていると、神経の伝達がうまくいかず足がつりやすくなります。
その他に、片半身の動きが悪かったり、しゃべりにくかったりした場合は脳梗塞の疑いがあるため、すぐに受診しましょう。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、足の血管がコブのように膨らんだ状態を指します。静脈は心臓に戻る血液であること、足の静脈は心臓から遠く血液を戻すために血管に強い圧力がかかることなどの原因により、静脈瘤ができます。
静脈瘤がある人は、足の血液の循環が悪いため足がつりやすいです。その他、足のだるさやむくみなどが見られるので、足のつり以外に症状がある場合は、受診しましょう。
下肢静脈瘤は命に関わるものではなく、足のつりやだるさを解消したい人や、見た目を気にして治療する人がほとんどです。
まとめ
夜寝ている時や寝起きに足がつると、焦ってしまいます。
対処方法を覚えておくと、夜足がつっても慌てずに対応できますので、ぜひ確認してください。
足のつりは予防できるため、日頃から適度な運動やストレッチ、保温などを心がけ、足がつらないようにしっかり予防しましょう。
よくある質問
Q.足がつった時はどうすればよいですか?
A.つっている部位を伸ばすようにストレッチしましょう。こするようにマッサージしたり、ホットタオルや湯たんぽで温めたりするのも効果的です。
Q.足がつる原因は何ですか?
A.主に筋肉の疲労やミネラル類の不足、足の冷えなどが挙げられます。血行不良や電解質のバランスが崩れることで足がつることが多いため、保温や脱水予防、バランスのよい食事、適度な運動をすることで予防できます。