寝る前の準備が睡眠に及ぼす影響
皆さんは寝る前に一体どのような行動をしていますか?スマホやPCで動画を見たり、お風呂上がりにそのまま眠ったり、1日のご褒美としてたくさんご飯を食べたり、1日の最後の時間を優雅に過ごしている方が多いのではないでしょうか。
ですが、実はその優雅な時間こそが、睡眠の質を大きく低下させている可能性があります。
睡眠とは、体を休めるだけでなく、主に脳を休める行動です。そのため、脳が覚醒したまま寝てしまった場合、どれだけ寝ても疲労は回復できていないことになります。この脳の覚醒というのが、寝る前の「準備」によって大きく左右されると知ることは睡眠において非常に重要です。
まずは、睡眠時間が長ければ体と脳は回復するという認識が少し違うという点を解説していきます。
睡眠時間=回復ではない
睡眠には、「質」が非常に重要です。十分な時間寝た方が体に良いのは間違いありませんが、長い時間眠っていても、実は脳や体は休まっていないケースが多く存在します。
脳が覚醒したまま眠ってしまった場合、深い眠りに入ることは難しいです。
深い眠りに入っている時間が長ければ、合計の睡眠時間は短くすみ、早く体は回復します。ですが、浅い眠りが多い場合には、より長い睡眠時間を必要とし、うまく体は回復することができません。
寝る前の行動が大事
普段何気なく行っている寝る前の行動を改善することによって、睡眠の質は大きく変化します。
今の生活の様子と照らし合わせ、自分の生活に睡眠の質を低下させる行動がないか、確認してみてください。
それでは実際に、寝る前にしてはいけない行動と、睡眠の質を高める行動を説明していきます。
運動、食事、お風呂に気をつけよう
運動、食事、お風呂は睡眠の質に大きく影響します。睡眠より3時間前にこれらを済ませていた場合、睡眠には良い効果をもたらしますが、寝る直前になるべく行わないようにしましょう。
具体的に説明していきます。
激しい運動
寝る前の激しい運動は、心拍数を上げてしまい、体が興奮状態になります。睡眠を妨げることになり、睡眠の質を大きく下げてしまいます。
寝る直前の激しい運動は控え、リラックス効果のあるストレッチなどの軽度な運動で、睡眠の質を向上させましょう。
食事
食事をとった後の数時間は、体は「消化」にエネルギーを使っています。そのため、食後すぐに眠ってしまうと消化の妨げになり、消化不良、逆流性食道炎などの症状を発症させてしまいます。
また、消化にエネルギーを使っているため、睡眠の質も大きく低下します。
お風呂
寝る前のお風呂で気をつけなければいけない点は、「高温」の場合です。
ぬるま湯程度であればむしろ睡眠には良い効果がもたらされるのですが、高い温度の場合は運動と同じように体が覚醒し、興奮状態になります。
高温のお風呂に入る場合は、入浴後にしっかりと体を冷やす時間を設けられるようにしましょう。
寝る前の光に要注意
上記では主に体が覚醒することによって睡眠の妨げになることを説明しましたが、次は光が与える影響について説明していきます。
光は脳を覚醒させてしまうため、なかなか寝付けない、眠った気がしないなどの症状の原因となります。自身の生活に見覚えがある方は、今すぐ改善を心がけましょう。
スマホやPCの光
スマホやパソコンの光は脳を覚醒させる効果があります。ブルーライトカットのメガネなどを用いている場合でも、カットできる光は100%ではないため、少なからず脳への影響は発生しています。
脳が覚醒した状態では、なかなか睡魔が訪れないだけでなく、寝ているのに脳は回復できていない状態を招きます。それによって、長時間寝たのにも関わらず、疲労が抜けない、眠気が残るなどの倦怠感を感じることになります。
コンビニやリビングの強い明かり
スマホやPCの光と同様に、コンビニなどお店の強い光も脳を覚醒させてしまいます。
夜中にコンビニに出歩いたり、外食からすぐに寝たり、強い光を浴びた直後の睡眠は脳が覚醒したままのため、なかなか疲労が抜けません。
部屋の明かりも同様な効果があるため、夕方ごろからは暖色系の灯りに切り替えて脳をリラックスさせることを心がけましょう。
アルコール、カフェイン、ニコチン
アルコール、カフェイン、ニコチンには脳を覚醒させる作用がありますが、依存の力も強く、あえてこれらを摂取することで眠りやすいと感じている方も多くいらっしゃいます。
依存と睡眠の質について詳しく説明していきます。
飲酒、喫煙、珈琲に注意する
お酒、珈琲、タバコには脳を覚醒させる作用があります。中にはお酒やタバコを使わないとリラックスして眠ることができないと感じている方もいますが、それは睡眠に必要なのではなく、体がアルコールとニコチンに依存しているだけの状態です。
珈琲が好きな方にも同じような症状が見られ、寝る前に珈琲を飲むことで寝付きやすいと感じている場合がありますが、それもカフェインへの依存です。
しっかりと依存を抜くことで、睡眠の質は大幅に向上することになります。
睡眠の質を高める寝る前の準備
これまで睡眠の質を下げてしまう行動を解説してきましたが、睡眠の質を高める行動も存在します。上記で説明した質を下げる行動の真逆の要素が多く、意識するだけでかなりの疲労、倦怠感を取り除くことが可能になります。
低温シャワーとストレッチ
激しい運動と熱いお風呂は脳を覚醒させてしまうため、寝る前には避けた方が良いのですが、低温のシャワーとストレッチには体、脳をリラックスさせる作用があります。
寝る前に運動をしたい方は、もう少し早い時間に運動をするか、ストレッチに切り替えるだけで睡眠の質は大きく高まります。また、熱いお風呂をぬるま湯程度のお風呂に変えることで、体と脳の回復度が大きく異なります。
リラックスできる音楽
YouTubeなどでヒーリングミュージックが多く掲載されていますが、効果は本当にあります。興奮状態にさせてしまう激しいヒップホップや洋楽とは異なり、クラシック音楽などのBGMや波の音、雨の音など、ヒーリング効果があるとされている音楽には脳をリラックスさせる効果が実証されています。
静かな場だと眠りにくい方や、ラジオやテレビをつけたまま眠っている方はリラックスできる音楽に切り替えるようにしましょう。
紅茶
寝る前は珈琲ではなく紅茶を飲むようにしましょう。
紅茶にはアミノ酸の一種であるテアニンが含まれており、緊張を和らげ興奮を鎮める効果があります。そのため、睡眠前に紅茶を摂取することで睡眠の質を大きく高めてくれることになります。
まとめ
睡眠の質は、準備によって大きく左右されます。
自分の意識していない日々の行動が、睡眠の質を大きく左右していると理解できたでしょうか。
寝る前のスマホや、食事、熱いお風呂には多くの方が心当たりのあるはずです。少し時間をずらすだけで大きく睡眠の質が変わるので、注意するようにしましょう。
また、睡眠の質を向上させる行動については、手軽に実践することが可能なため、一度実践してみてください。翌日のスッキリ感や、眠気の抜けが感じられるはずです。
よくある質問
Q.寝る前に外出してはいけない?
A.外の外気にあたる程度であれば睡眠に対する効果は高いですが、コンビニや飲食店などの強い光は避けましょう。強い光を浴びた直後の睡眠は質が大きく下がります。
Q.睡眠の質が低いと長時間寝ても体は回復しない?
A.はい。どれだけ寝ても眠気が抜けない、疲労が回復しないといった特徴があるため、睡眠の質を高めることは非常に重要です。質が高ければ、最低6時間の睡眠でも十分な回復が期待できます。