寝癖ができる仕組み
はじめに、寝癖ができる仕組みから解説していきます。仕組みが分かれば「なぜ寝癖ができるのか」「どのように寝癖がつくのを防ぐか」を理解できるようになるはずです。
寝癖がつくのは濡れた髪の毛が乾くまでの間
寝癖というのは、寝ている間に髪の毛につく癖のことを指します。起きて鏡を見た時に、髪の毛が思わぬ方向にハネていたり、広がっていたりするのが寝癖です。
寝癖は、濡れた髪の毛が乾くまでの間につきます。
髪の毛が濡れている間は、内部に含まれている水分の結合が切れ、自由な形を作りやすくなります。しかし、この水分の結合は乾いていくうちに結合し、自由な形を作りにくくなっていきます。
つまり、濡れた髪の毛が乾くまでの間に髪の毛が思わぬ形をとっていると、寝癖となって朝まで残ってしまうのです。
寝癖になる原因は?
寝癖の仕組みが分かったところで、次は具体的な原因を見ていきましょう。原因を取り除くことで、寝癖に悩まされる朝がぐっと少なくなりますよ。
髪の毛が十分に乾いていない
寝癖がつく一番の原因は、髪の毛が十分に乾いていない状態で寝てしまうことです。
寝ている時は髪の毛が枕に押し付けられ、思わぬ形に変形しています。髪の毛が濡れていると、その形のまま固定されてしまい、寝癖となって残ってしまうのです。
寝相が悪い
寝相が原因で寝癖がつくこともあります。
たとえ髪の毛が濡れていなくても、寝相が悪い方は髪の毛が変な形で枕に押し付けられやすく、そのまま形がついて寝癖になってしまいます。
寝相が悪い方は睡眠環境に問題がある可能性が考えられるため、一度見直してみましょう。
寝汗をかきやすい
夜、髪の毛をしっかりと乾かして寝ても、寝汗をかけば髪の毛が濡れてしまいます。
寝汗をかきやすい方は寝癖もつきやすいです。
寝癖がつくのを防ぐ方法
寝癖がつく原因以上に知りたいのは、寝癖を防ぐ方法ですよね。朝、ヘアセットにかける手間と時間を減らすため、ぜひ以下の内容を参考にしてください。
髪の毛を十分に乾かす
もっとも大切なのは、お風呂から上がったら髪の毛を十分に乾かすことです。
「寝癖ができる仕組み」でも解説したように、髪の毛が濡れていると水分結合の関係で寝癖がつきやすくなります。通常の体勢では、髪の毛を正しい形に保ったまま眠ることは難しいので、寝る前にはしっかりと髪の毛を乾かし、できるだけ寝癖がつきにくいようにしておきましょう。
温風後に冷風で髪の毛を乾かす
髪の毛を乾かす時は、まず温風で丁寧に水分を飛ばした後、冷風で熱を冷ましてあげると、翌朝寝癖がつきにくくなります。
髪の毛を冷やすことで、水分が髪の毛の内側へと吸収されていき、パサつきを防ぐことができます。寝癖対策としても効果的です。
寝る前にアイロンやホットカーラーなどで髪の毛を癖づける
寝る前に敢えて正しい形に髪の毛を癖づけてしまうことで、寝癖を防ぐ方法もあります。
例えばストレートヘアの方ならストレートアイロンで、寝る前に髪の毛を伸ばしておきます。この時、あまり強い熱を当てると髪の毛が傷んでしまうので、軽く通す程度にしておきましょう。
パーマをかけている方なら、ホットカーラーで髪の毛の形状を整えておくと、寝癖がつきにくくなるだけではなくキレイにカールした髪型が翌朝までキープされ、ヘアセットの手間がぐっと減りますよ。
お風呂上がりと寝る前に水を飲む
前述したように、寝ている間にかく寝汗で髪の毛が濡れてしまうと寝癖がつきやすくなります。
寝汗を止めることはできませんが、お風呂上がりと寝る前にコップ一杯程度の水を飲んでおくと、寝汗がサラサラした性質のものに変わり、寝癖がつきにくくなります。
寝る時の姿勢を見直す
寝る時に横向きの姿勢だと、頭の片側のみが枕に押しつけられて、寝癖がつきやすいです。寝癖が気になる方で、いつも横向きの姿勢で寝ているという方は、仰向けの姿勢で寝るようにしてみましょう。
低反発枕を使う
寝る時に低反発枕を使うと、頭の形と枕がフィットし、寝癖がつきにくくなります。今使っている枕を、低反発枕に変えてみてください。ただし、合わない枕を使って寝ると睡眠の質が下がってしまうので、その点には注意が必要です。
寝癖を直す方法
「寝癖がつくのを防ぐ方法」で挙げた方法を試しても、完全に寝癖をなくすことはできません。体質や髪質によってはどうしても寝癖がついてしまうという方もいるでしょう。
そこで、続いては寝癖を直す方法を紹介していきます。万が一寝癖がついてしまった朝は、以下の方法を試してみてください。
髪の毛を濡らしてセットする
濡れた髪の毛が乾くまでの間に形が固定される方法を利用し、再度髪の毛を濡らして乾かしながらセットするのが、寝癖を直すもっとも一般的な方法です。
髪の毛を濡らすのに使うのは水道水で構いません。もしくは、市販の寝癖直しスプレーを使うとより効果的です。
全体的に寝癖がついているようであれば全体を濡らす必要がありますが、一部しか寝癖がついていない場合は一部だけ濡らしてドライヤーで乾かしましょう。
スタイリング剤を使う
スタイリング剤は本来セットした髪型をキープするために使いますが、寝癖直しにも使えます。スタイリング剤をつけてヘアセットすると、寝癖がキレイにとれるので活用しましょう。
スタイリング剤の中には寝癖直しに向いている商品が販売されているので、こだわりがなければ寝癖直しに特化したものを使うことをおすすめします。
他には、髪の毛を内側からキレイにできるトリートメント入り商品などがあるので、髪質に合ったものを探してみてください。
蒸しタオルで髪の毛を温める
髪の毛を蒸しタオルで温めると、水で濡らした時とほぼ同じ効果が得られます。ほぼ同じが得られるにもかかわらず、乾くのは水で濡らした時よりも早いので、寝癖直しにかかる時間が短くなって便利です。
蒸しタオルは、濡らしたタオルをレンジで温めることで用意します。寝癖がついた部分に蒸しタオルをあてて蒸らし、クシやブラシで整えます。最後に蒸した部分をドライヤーで乾燥させたら終了です。
ヘアアレンジで寝癖を隠す
寝癖を直す時間がない方は、ヘアアレンジで寝癖を隠し、ごまかしてしまうのも1つの手段です。
例えば髪の毛が外にハネてしまっていたら、他の部分も同様にコテで巻き、外ハネ風のヘアスタイルにすると違和感がありません。寝癖がひどい場合は、思い切って束ねてしまうのもいいでしょう。
万が一の時、自然に寝癖をごまかせるように、ヘアアレンジの仕方を身につけておきましょう。
縮毛矯正やパーマをあてる
どんなに対策しても寝癖がついてしまい、直すのにも時間がかかるという方は、美容室で縮毛矯正やパーマをあててもらいましょう。
特に縮毛矯正は、あてることで少しの寝癖程度ならつきにくくなるので、朝のヘアセットにかける手間と時間を大幅に減らせます。まずは美容室で相談してみましょう。
ただし、縮毛矯正やパーマをあてたからといって、完全に寝癖を防げるわけではないので、日々の対策は怠らないようにしてください。
【部分別】寝癖の直し方
ここからは、部分別に詳しい寝癖の直し方を解説していきます。寝癖を直す時は、「寝癖を直す方法」の解説とともに、以下の内容も参考にしてください。
前髪
前髪にのみ寝癖がついてしまった場合、直し方の流れは以下の通りです。
- ①根元を含めた前髪全体を水で濡らす
- ②前髪の根元から毛先に向け、半乾きの状態になるまでドライヤーをあてる
- ③半乾きの状態のまま根元からセットする
- ④コームなどで前髪を押さえながら、再びドライヤーをあてる
- ⑤冷風をあてて熱を冷ます
前髪の寝癖を直す時のポイントは、根元から前髪全体をしっかりと全体を濡らすことです。一度全体を濡らして形をリセットすることで、寝癖を直しやすくなります。
髪の毛の一部分
髪の毛の一部分のみ寝癖がついてしまった場合、直し方の流れは以下の通りです。
- ①寝癖がついている部分を根元から水で濡らす
- ②2〜3分、時間を置く
- ③ドライヤーを根元にあて、濡らした部分を乾かす
- ④毛流れを整える
髪の毛の一部分についた寝癖を直す時も、根元をしっかりと濡らすのがポイントです。ただし前髪の時と違い、毛先は軽く濡らす程度に留めてください。
髪の毛全体
髪の毛全体に寝癖がついてしまった場合、直し方の流れは以下の通りです。
- ①蒸しタオルを頭に巻き、数分置く
- ②髪の毛の根元がしっとりしたら、クシやブラシで整える
- ③ドライヤーで乾かす
髪の毛全体の寝癖は、蒸しタオルを使って直すのがおすすめです。髪の毛を蒸らしている間に朝ごはんを食べたり、メイクをしたりできるので効率的です。
寝相の悪さが原因の場合は「いびき」に注意
寝癖がつく一番の原因は髪の毛が濡れたまま寝ていることですが、髪の毛をしっかり乾かしているにもかかわらず寝癖がつくという方は、寝相に問題があるのかもしれません。一度家族やパートナーに協力してもらい、調べてみてください。
単に寝相が悪いだけならば朝のヘアセットが大変というだけで済みますが、大きないびきもかいている場合、「睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)」と呼ばれる病気の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まってしまう病気です。放置すると高血圧や糖尿病、脳卒中、心臓病など、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高く、健康や命に関わります。
そんな睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状が、大きないびきです。寝相が悪いうえに大きないびきをかく、さらには睡眠時間を十分に確保しても眠くなるなどの状態に心当たりがある方は、一度医師に相談してみてください。
イビキメディカルクリニックでは、睡眠時無呼吸症候群に悩む患者さんに対して、「パルスサーミア」と呼ばれるレーザー治療を提供しています。まずは無料カウンセリングで、ご自身の状況を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか?
まとめ
この記事では寝癖の仕組みと原因、予防方法、ついてしまった時の直し方などを解説しました。
寝癖は完全に防げるものではありませんが、仕組みや原因を知れば、ある程度の対策をすることはできます。寝癖を減らすことで朝のヘアセットにかかる手間や時間も減らせるので、この記事を参考に対策してみてください。
もしも寝相が原因で寝癖がついている場合、大きないびきをかく、睡眠の質が悪いなど、その他の状態次第では睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられます。少しでも疑わしい場合は、すぐに医師に相談しましょう。
よくある質問
Q.寝癖がつく原因は何ですか?
A.寝癖がつく一番の原因は、髪の毛が濡れた状態のまま寝てしまっていることです。髪の毛が乾くまでの間に、意図しない形が固定されてしまって寝癖になります。
他にも、寝相が悪い方や寝汗をかきやすい方は寝癖がつきやすいです。
Q.寝癖の予防方法は?
A.髪の毛をしっかり乾かして寝るのが一番の予防方法です。他には、温風後に冷風で髪の毛の熱を冷ます、寝る前にアイロンやホットカーラーで髪の毛をくせづけておく、お風呂上がりと寝る前にコップ一杯の水を飲むなども寝癖対策として効果があります。