睡眠と気絶の違い
睡眠と気絶は、どちらも意識を失うものです。
ただし、生じる過程や目的が異なるのをご存じでしょうか。
まずは睡眠と気絶の違いを詳しく解説します。
自分の睡眠が気絶になっていないか確認してみてください。
睡眠は頭を整理し疲れを取る「身体のメンテナンス」
睡眠は、身体の疲れやストレスを取るため、そして脳を整理するために行われる人間の欲求です。
朝起きて夜眠るというように、身体のメンテナンスのために必要な行動であり、睡眠を取らなければ、疲れて動けなくなってしまいます。
睡眠は、成長ホルモンの分泌による代謝の促進など、身体を正常に保つ働きをするのが特徴です。
睡眠不足の状態が続いてしまうと、次に示す状態になるので注意してくださいね。
- ・顔色が悪くなる(青白い肌、クマ)
- ・太りやすくなる
- ・ストレスが溜まりやすくなる
また、睡眠中は意識を失っているように見えますが、物音がしたり誰かに起こされたりすると、すぐに目が覚めます。
動物の本能により、起きた瞬間から動き出すこともできるため、完全に意識を失っているわけではありません。
気絶は血流の減少で意識を失い「身体トラブル」
気絶とは、前項の睡眠とは逆に、完全に意識を失う身体トラブルです。
ホルモンバランスや自律神経が乱れ、脳が正常に働かず、気絶してしまう人もいます。
また、気絶するときは血流が減少して、貧血や失神のような状態になるのも特徴です。
一度気絶すると、血流が正常に戻るまでは意識がありません。
近くで物音がしたり、声をかけたりしても反応がないため、完全に意識を失っているのです。
特に気絶しやすいのは、慢性的な睡眠不足に悩んでいる人が引き起こす「睡眠負債」をもつ人でしょう。
睡眠不足によって、不規則的に強い眠気を感じてしまうため、寝室だけでなく、リビングや電車の座席、会社の机などで意識を失うことがあります。
睡眠中の気絶を見分ける3つのポイント
睡眠と気絶の違いを理解しても、睡眠のプロではないため、気絶の判断ができない人もいるはずです。
続いて、パートナーの睡眠が「睡眠」と「気絶」のどちらなのか、見分けるポイントを3つ紹介します。
正しく眠れているか判断するためにも、各項目を確認していきましょう。
起こそうとしても目覚めない
睡眠中の反応を知るため、パートナーの睡眠中に、揺さぶるか、声をかけてみましょう。
何をされても反応がない場合は、気絶しているかもしれません。
眠っているのなら、声をかけられるだけでも目が覚めますし、小さく反応が返ってきます。
しかし、気絶していると何にも反応できなくなってしまうため、起こされたことに気が付けません。
また、気絶が解け、途中から睡眠へと戻る人もいるので、気絶の確認は入眠したばかりのタイミングがおすすめです。
もし、声をかけて目が覚めたり、反応があったりするのなら問題ありませんが、無反応の場合は注意してください。
寝返りを打たない
睡眠と気絶を判断したいなら、パートナーの寝姿を確認することも大切です。
中でも、睡眠中の行動である「寝返り」は、睡眠と気絶を見分ける重要な要素だといえます。
人間の身体は、血の巡りを良くすること、そして関節を痛めないことを目的に、睡眠中に寝がえりをうつのが一般的です。
よって、まったく寝返りを打たない人がいるのなら、気絶している可能性があります。
呼吸はするけど、ずっと仰向けのままで眠っていたり、無理な姿勢で眠っているのに動かなかったりするのは、気絶しているからなのかもしれません。
もしパートナーが先に眠っているなら、寝狩りをうっているのか様子を見てみましょう。
呼吸が浅い
睡眠と気絶は、意識の失い方が異なりますが、どちらも無意識に呼吸を行うのが特徴です。
ただし、睡眠中に比べて気絶中は、呼吸が浅くなるのをご存じでしょうか。
中には、本当に呼吸しているのか不安になるくらい浅く息をしている人もいます。
上記2項目にあわせ、呼吸が浅くなっているなら、もしかすると気絶しているのかもしれません。
普段の呼吸と比べてみて「なんだか最近、呼吸が浅いように感じる」と思ったのなら、気絶を疑ってみるのもいいでしょう。
睡眠中の気絶が引き起こす2つのリスク
睡眠中に気絶している状態が続く人は、早めの改善が求められます。
なぜなら、気絶する状態が慢性化していると、肉体的リスク、精神的リスクを負ってしまうからです。
気絶は、日常生活に影響を及ぼす大きなリスクとして発展していくので、具体的な問題が何なのかを把握していきましょう。
肉体的なリスク
睡眠時に気絶する状態が続いてしまうと、次のような肉体的リスクを負います。
- ・肥満
- ・生活習慣病の発症
- ・免疫力の低下
- ・倦怠感に伴う体力の低下
疲れて動きたくなくなるのはもちろん、内臓へダメージを蓄積してしまうため、病気を発症するリスクがあるのです。
どんなに健康的な食事を心がけても、睡眠の質が悪く気絶する状態が続けば、上記リスクが進行していきます。
また、免疫力の低下によって様々な病気を発症しやすくなるなど、時間をかけて身体が弱っていくので注意してくださいね。
精神的なリスク
睡眠時に気絶する状態が続いてしまうと、次のような精神的リスクを負います。
- ・判断力の低下
- ・物忘れの増加
- ・認知症の進行
- ・感情の不安定化
- ・うつ病の発症
各種リスクは、日常生活を行うにあたって避けるべき項目ばかりです。
中でも、加齢に伴う認知症の進行が早まって、若年性認知症を発症する場合もあるので注意してください。
また、睡眠の質が悪いと、ストレスが溜まってうつ病を発症してしまう可能性もあります。
うつ病になると、仕事ができなくなるほか、日常生活もままならなくなってしまうので、早期解決を心がけましょう。
睡眠中に気絶する4つの原因
中には、睡眠中に気絶する理由が分からないと、不安を抱えている人もいるはずです。
じつは気絶、日常生活における複数の行動が、影響しているのをご存じでしょうか。
4項目に分けて、気絶を引き起こす原因を紹介しているので、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。
睡眠不足
あなたは普段、どれくらい睡眠時間を確保しているでしょうか。
人によっては、毎日忙しくて睡眠時間をおろそかにしている人もいるはずです。
一般的に、人間の適正睡眠時間は6~7時間といわれていますが、それよりも短い時間しか眠っていない人は、睡眠中に気絶してしまうかもしれません。
睡眠不足は、貧血や血行を悪くする原因となります。
無理な生活を続けている人の中には、気絶するように眠ってしまう人も多いので、現状の改善が必要でしょう。
不規則な生活
人間の身体は、朝起きて夜寝るようにできています。
ただ、人によっては、夜の時間帯勤務の仕事をしていたり、自由に生活していたりと、規則的に生活していない人も多いでしょう。
しかし、不規則な生活が続いてしまうと、自律神経が乱れて睡眠の質が大幅に低下してしまいます。
また、不規則生活の影響で、急に眠気を感じたり頭がボーっとして動けなくなったりする場合もあり、日常生活に大きな影響を与えてしまうため注意が必要です。
身体の構造に反した行動は、相対してダメージの蓄積に繋がっていくので気を付けてくださいね。
仕事や子育てのストレス
日々の仕事や子育てに、ストレスを抱えている人も多いでしょう。
ストレス発散がうまくできていれば問題ありませんが、発散するのが苦手な人は、ストレスをため込んでしまい、気絶を引き起こす場合があります。
人によっては、ブラック企業で働いていて、夜遅くまで仕事をする人も多いはずです。
また、子どもの夜泣きで疲れが蓄積している人もいるのではないでしょうか。
仕事や子育てのストレスは、切っても切り離せない要素なので、誰かに協力を求めなければ、あっという間に睡眠トラブルを引き起こしてしまいます。
運動不足
大人になるにつれて、運動しなくなった人も多いのではないでしょうか。
しかし、運動不足が続いてしまうと、筋肉の萎縮や関節の硬化によって、身体全体に疲労がたまりやすくなるのです。
例えば、最近肩こりがひどい人や、腰を痛めやすい人もいるでしょう。
それらの問題は運動不足によって引き起こされます。
疲れやストレスが溜まりやすくなると、気絶したように眠る人も出てくるので、運動を取り入れた生活を心がけてください。
睡眠中の気絶を回避・改善する方法
睡眠中の気絶は、すぐにでも解決すべきトラブルなので、個人で始められる気絶の回避・改善方法を把握するのがおすすめです。
4項目の対策をご紹介するので、始めやすいものを生活に取り入れてみてください。
適正睡眠時間を確保する
特に大切なのは、適正睡眠時間を確保して眠ることです。
睡眠時間は身体・精神のメンテナンス時間であり、毎日正しい時間眠ることができれば、ストレスや疲れを溜めずに生活できます。
また、睡眠時間を正していけば、成長ホルモンが必要な量だけ分泌され、代謝を高めることが可能です。
肥満に悩んでいたり、肩こりに悩んでいたりする人は、睡眠不足が原因かもしれませんので、睡眠時間を見直してみてください。
良質な睡眠を取る
睡眠の質が低ければ、どれだけ長く眠っても睡眠不足の状態が続きます。
よって、良質な睡眠を確保するために、次の対策を取ってみてはいかがでしょうか。
- ・睡眠前に入浴して身体を温める
- ・寝室にアロマグッズを置いてリラックスできる空間を作る
- ・睡眠前の飲酒やスマホ利用を辞める
睡眠の質が高まれば、自然に気絶といったトラブルが回避・改善できます。
普段の生活で見直せそうなポイントを見つけて、改善していきましょう。
休憩や昼寝を取り入れる
長時間睡眠が苦手な人もいるでしょう。
それなら、日中に休憩時間や昼寝時間を確保してみてはいかがでしょうか。
睡眠中の気絶を回避・改善するためには、身体と心の疲れを取ることが重要です。
短時間の休憩であっても大きな改善効果があり、頭の中をスッキリできます。
5分休憩や15分間の昼寝など、時間を見つけて、生活の中に取り入れてみましょう。
室内の明るさをコントロールする
人によっては、現在の部屋の明るさが原因で眠れない場合があります。
例えば、次のような明るさに対してストレスを感じ、寝付けない人もいるはずです。
- ・カーテンを透けて差し込む光
- ・夜光灯
- ・電化製品の小さな照明
もし、少しでも明るさをコントロールしたいなら、遮光カーテンを取り入れたり、照明を完全に消してみたりしてはいかがでしょうか。室内の明るさをコントロールできれば、自然と眠りやすい環境が作れます。
まとめ
睡眠中に気絶している人は、肉体的・精神的なリスクを負いやすく、健康的な生活が送れなくなってしまいます。もしもパートナーが気絶しているかもしれないと感じたら、本記事で紹介した見分け方や回避方法を試してみましょう。
また、個人で対策が難しいと感じているなら、クリニックに相談することをおすすめします。睡眠のプロに相談することによって、正しい解決策を効率よく導きだしてもらえるでしょう。
将来の健康を大きく左右する要素ですので、自分やパートナーの睡眠が問題ないか確認してみてくださいね。
よくある質問
Q.睡眠と気絶の違いとは?
A.睡眠は、体と心の疲れを取るために行う欲求であり、身体をメンテナンスするために必要です。一方、気絶は疲労やストレスが原因となり発生する身体トラブルであり、身体を不健康にするひとつの要因なので注意してください。
また気絶状態が続いてしまうと、倦怠感や病気発症のリスクがあったり、認知症やうつ病発症したりするリスクがあるので、早期解決を心がけましょう。
Q.睡眠中の気絶を回避・改善する方法とは?
A.睡眠中の気絶を回避・改善したいなら、次に示す対策を始めましょう。
・適正睡眠時間を確保する
・良質な睡眠を取る
・休憩や昼寝を取り入れる
・室内の明るさをコントロールする
いきなりすべての対策を取り入れるのは大変なので、まずは始めやすいものからチャレンジしてみましょう。また、自分で対策するのが難しいと感じたなら、クリニックに相談することをおすすめします。