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睡眠の面白いギネス記録!睡眠のタメになる知識も紹介

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睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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睡眠の面白いギネス記録|最長11日間起き続けた人物

トロフィーイメージ

世の中には、人類の能力を超える「世界一」の記録を打ち出した人間がいるとご存じでしょうか。世界で最も優れた記録はギネスワールドレコーズとして「ギネス記録」に認定されます。そして、睡眠というジャンルにおいても面白い記録が登録されました。

中でも有名なのが1964年に登録された「最長11日間起き続けた人物がいる」というギネス記録です。

ギネス記録の登録者「ランディー・ガードナー」は、毎日7時間程度睡眠をとる高校生でした。ごく一般的な高校生活を送る彼ですが、クリスマス休暇の際に「化学フェアプロジェクト」の自由研究課題をこなすためにギネス記録に挑戦したのです。

なんと自由研究を行うにあたり、まず実施したのがスタンフォード大学の睡眠の研究家に手伝ってもらうということでした。研究家の立会いのもと、いつでも対処できる環境下で彼の挑戦が始まったのです。

264時間12分の断眠記録を打ち出す

ランディー・ガードナーと研究者の断眠の研究は、眠らない対策として「会話」「クイズ」「運動」などを実施しながら何日間も継続して行われました。

研究結果として、なんと彼は264時間12分(11日)もの断眠記録を打ち出したのです。当時、別の断眠最長記録がありましたが、それを大きく上回る結果だと世界から注目を集めました。

人間は丸1日活動するだけでも眠気がやってきます。ランディー・ガードナーはその11倍もの尋常ならざる断眠を続けたのです。2023年現在においても、ランディー・ガードナーの記録は破られることなく、今もなお世界ギネスブックの記録として掲載され続けています。

自由研究終了後は14時間睡眠をとる

人知を超えた自由研究を終えたランディー・ガードナーは、研究終了後14時間程度の眠りについたそうです。また、これまで7時間程度だった睡眠時間が少し延び、数日間は長い睡眠時間を確保して元の生活パターンに戻りました。ただし、実験中に次のような症状が出たことも分かっています。

  • ・断眠2日目:イライラや集中力低下
  • ・断眠4日目:妄想の出現
  • ・断眠7日目:体の震えや失語

驚異の記録を打ち出した彼の11日間ですが、実験中かなり壮絶な時間を過ごしていたことがうかがえます。




なぜギネス記録を出せた?通常の人との違い

ひらめき

普通の高校生活を送るランディー・ガードナーですが、なぜ11日間も眠らずに過ごせたのでしょうか。通常の人の生活との違いを交えつつ、ギネス記録を打ち出せた理由を2つご紹介します。

極度な集中

ランディー・ガードナーは、実験中に眠らないように複数の対策を用意していたといわれています。例えば研究者との会話はもちろん、眠気をなくすための運動や立ったまま過ごすなど、研究中は常時集中できる環境を作り出していたのです。

もしかすると、読者の方の中にも「時間を忘れて集中していた」という経験がある方もいるのではないでしょうか。いつの間にか数時間経過していた、周りの声が聞こえなくなった、という経験をしたのは脳が長時間集中できる環境だったからです。集中には眠気をなくす効果もあるので、ゲームなどを夜遅くまで行っていた結果、朝方まで起きていたという人もいます。

同じようにランディー・ガードナーは極度に集中できる状況で実験をスタートしました。眠気を感じたら集中して眠気を紛らわせるというように、眠らない対策をしたからこそ11日間も眠らずに過ごせたのでしょう。

環境の変化

ランディー・ガードナーがギネス記録を打ち出せたことには、環境の変化も関係しているでしょう。

日中は学校で過ごし、夜は自宅で眠るという生活を続けている場合、生活のルーティンができているため、自然と眠気がやってきます。一方、ランディー・ガードナーは自由研究中、自宅とは別の施設を用いて断眠の実験を行いました。

環境が変わった際に感じる不安や緊張があると、生物は眠気を感じずに数日過ごせるという実験もあります。また、日本で暮らす人がいきなり海外で暮らすことになると、不安やストレスで不眠症に陥りやすいという話をよく聞くでしょう。もしかするとランディー・ガードナーも日常と異なる「安心できない環境」を自身で作り出すことによって、眠らずに過ごせたのかもしれません。




不眠を続けるとどうなるの?5つの問題

寝不足な女性

ランディー・ガードナーの断眠実験からも分かるように、不眠が続くと精神的・体力的な問題が発生します。具体的に起こる問題を5項目に分類しました。

眠らないことで起こる身体への影響を詳しく見ていきましょう。

問題①:集中力の低下

不眠により、脳の疲れがとれないと集中力が低下してしまいます。

寝不足のまま勉学・仕事をしたときにハイパフォーマンスを出せる人物は多くありません。おそらく集中力や判断力の低下によって、思わぬミスを引き起こすはずです。また、悪いケースでは事故が起きてしまうこともよくあります。

中でも、一瞬一秒が重要な「自動車の運転」を行う際には、集中力の低下は生命の危機につながるでしょう。

問題②:ストレスの増加

継続して不眠状態のままでいると、脳が疲れてストレス増加の原因になるとご存じでしょうか。

人間は、深い睡眠(ノンレム睡眠)をとることにより成長ホルモンが分泌されてストレスを解消できます。一方、不眠状態が続けば成長ホルモンが分泌されにくくなり、精神的なトラブルを改善できなくなってしまうのです。また、成長ホルモンの分泌量が減ると、ストレスへの大勢も衰えてしまいます。

悪い場合にはストレスが蓄積され続け、うつ病や精神疾患を患いやすくなるので注意が必要です。

問題③:体力の低下

不眠により成長ホルモンの分泌量が減ってしまうと、ストレスだけでなく体力を回復できません。

体力を回復できないということはつまり、朝起きても「体がつらい」「肩が重い」というような症状が続いてしまうということです。体力が低下すると、勉学や仕事に集中できにくくなることはもちろん、パフォーマンスが著しく低下します。

体力の低下は、ストレスの増加にも影響する問題です。不眠で疲れを感じているのなら、早期解決を目指してください。

問題④:自律神経の乱れ

不眠状態が続くと毎日のペース、リズムを整える自律神経が乱れて日常生活に悪影響を及ぼします。例えば、次のような問題が起こるかもしれません。

  • ・同じ時間に眠れない
  • ・食欲がなくなる
  • ・内臓機能が低下する(便秘・消化)
  • ・めまいや立ちくらみが続く

また気温や湿度に関わらず、急に寒気や暑さを感じたり平衡感覚を失ったり血圧が変化したりと、複数の健康被害をもたらす原因となります。さらに不眠症を加速させる原因となるので気を付けてください。

問題⑤:最悪の場合は死に至る

不眠症を放置していると、最悪の場合「死に至る」ことがあると覚えておきましょう。

ランディー・ガードナーの実験中の記録からも分かるように、何日間も眠らずにいると、妄想の出現や失語、体の震えなどが起きてしまいます。また、さらに眠らずにいると、心不全など重大な問題を発症する恐れがあるのも事実です。

睡眠は地球上の生き物にとって欠かせない行動ですので、不眠症にお悩みならまずは医療機関に相談することをおすすめします。また、不眠症の症状や原因について詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてみてください。

生きるために睡眠が必要な2つの理由

快眠する女性

私たち人間が生き続けるためには、睡眠という行為が必要不可欠です。人間の三大欲求のひとつに睡眠が含まれるように、避けてとおることはできません。

なぜ生きるために睡眠が必要なのか2つの理由をご紹介します。

理由①:休息による体力の回復

睡眠には脳と体を休ませる効果があります。浅い眠り(レム睡眠)・深い眠り(ノンレム睡眠)のうち、ノンレム睡眠になると成長ホルモンが分泌され、こころと体が修復されるのです。

どんなに疲れていても、眠れば体が軽くなっています。一方、眠らなければ疲れが蓄積されて体調不良に陥ってしまうので、必ず十分な睡眠を確保してください。

理由②:ストレスの解消

睡眠により分泌される成長ホルモンは、ストレスの解消としても効果的です。

成長ホルモンには脳の処理を整えてくれる効果があり、イライラや不満といったストレスを改善できます。もちろん趣味や運動など、好きなに打ちこむことも大切ですが最も効果的なのは睡眠です。

どんなにストレスを解消しても、眠らなければストレスが再発してしまうケースもあるので、不規則な睡眠にお悩みなら医療機関に相談してください。




睡眠のタメになる知識6選

本と電球

睡眠に関するギネス記録にあわせて、ぜひ覚えてほしい豆知識を6つご紹介します。

睡眠に関する知識を増やすために、気になる項目をチェックしてみてください。

知識①:平均睡眠時間は6~7時間が目安である

日本人の場合、平均睡眠時間はおおよそ6~7時間程度だといわれています。

また、5時間よりも短い睡眠時間でも健康な人を「ショートスリーパー」、8時間よりも長くて健康な人を「ロングスリーパー」などと呼びます。人によって睡眠時間に多少の差はありますが、平均としては6~7時間必要だと覚えておきましょう。

知識➁:長時間睡眠よりも質を高めることが大切である

長時間眠れば、その分だけ体力回復・ストレス改善につながると思われがちですが、実際には「睡眠時間<睡眠の質」が大切です。

どんなに長く眠っても、睡眠の質が悪ければ体力やストレスの回復量も減ってしまいます。睡眠の質が低いまま10時間眠るよりも、睡眠の質が良い7時間睡眠の方が疲れ・ストレス改善効果を期待できるでしょう。

知識③:自然な眠気を感じるようになる方法がある

自然な眠気を感じたいのなら、次のような方法で自律神経を整えることが大切だと覚えておきましょう。

  • ・バランスのとれた食事
  • ・適度な運動
  • ・入浴
  • ・規則的な生活

自律神経とは、身体のリズムを作る重要な中枢神経系のことです。ストレスや不規則な生活によって自律神経が乱れると、不眠症になりやすいことはもちろん、疲れやストレスを感じやすくなるのでぜひ生活を改めてみてください。

知識④:目を閉じているだけでも休息の効果がある

睡眠といえば「意識を失った状態」のことを指しますが、じつは目を閉じているだけでも休息効果があるとご存じでしょうか。

人間は「目」を含む五感から情報を集めて脳で処理するため、最も情報を集めている「目」を閉じることによって脳を休ませることができるのです。動物界には片目を閉じて眠る「半球睡眠」を行う動物もいます。もし疲れを感じるならば、脳を休ませるために片目だけ閉じてみてはいかがでしょうか。

知識⑤:昼寝が脳を休ませる

昼寝にも脳を休ませる効果があるとご存じでしょうか。

たった15分程度の昼寝でも頭がスッキリすることはもちろん、ストレス解消に効果的です。東大生の中には勉強後の休み時間に睡眠をとり、脳を整理させるというルーティンを作っている人物もいます。

午前中の活動に疲れを感じたのなら、短時間だけでも昼寝時間を確保してみてはいかがでしょうか。

知識⑥:いびきや睡眠時無呼吸症候群が眠りを妨げる

どんなにぐっすり眠れたとしても、いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症している人は、発症していない人と比べて睡眠の質が大幅に低下しています。

いびきや睡眠時無呼吸症候群を発症している人は十分な呼吸をできないため、血中酸素飽和濃度が下がり、脳の働きを弱めてしまうのです。もしいびき・睡眠時無呼吸症候群にお悩みなら、まずは医療機関に相談して問題を解決することをおすすめします。




眠れないとお悩みなら医療機関に相談するのがおすすめ

四人の医療従事者

ギネス記録を目指す人ではありませんが、中には「眠れない」「横になっても眠気がこない」とお悩みの方もいるはずです。

もし睡眠に対するトラブルに悩んでいるのなら、医療機関に相談することをおすすめします。睡眠に関する悩みは自分で解決できない場合が多く、プロのアドバイスや専門機器の利用が必要不可欠です。

健康的な日常を過ごすためにもまずはカウンセリングを受けて、自身の睡眠状況を把握してみてはいかがでしょうか。




まとめ

図書館イメージ

睡眠に関する驚異的なギネス記録に「11日間断眠した高校生」がいるとお話ししましたが、不眠・断眠には身体的・精神的なリスクがあるのも事実です。

人間は睡眠によって脳を休め、疲れやストレスを解消します。また、健康的な生活を送るために睡眠が欠かせません。

面白いギネス記録ではありますが、健康被害が大きいため「自分も挑戦してみよう」と考えないようにお気を付けください。




よくある質問

Q.睡眠にはどんなギネス記録があるの?

A.睡眠のギネス記録は「睡眠の面白いギネス記録|最長11日間起き続けた人物」で詳しく解説しています。
1964年、当時高校生だったランディー・ガードナーは、264時間12分起き続けるという驚異の記録をたたき出しました。現在もこの記録は破られることなく、ギネス記録に認定されています。

Q.寝ない生活を続けるとどうなるの?

A.眠らない生活を続けるリスクは「不眠を続けるとどうなるの?5つの問題」で詳しく解説しています。
例えば、次のようなリスクがあるので、不眠症にお悩みならまずは医療機関に相談しましょう。

・集中力の低下
・ストレスの増加
・体力の低下
・自律神経の乱れ
・最悪の場合は死に至る

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