寝ない生き物TOP5
続いて、人間よりも寝ない生き物TOP5を紹介します。各動物の生態についても解説するので、なぜ眠る時間が短いのか、ぜひチェックしてみてください。
【結論】寝ない生き物はいない!でも睡眠時間が短い動物はたくさんいる
大前提として、この世に睡眠を必要としない動物はいません。人間が何日も徹夜を続けると身体を壊してしまうように、動物も同じように疲労やストレスを溜め込んでしまいます。
よって、こちらで紹介するランキングは、人間よりも眠るのが短い動物TOP5です。中にはほとんど睡眠を必要としない動物もいるので、その特徴を見ていきましょう。
第5位:牛|1日5時間
食肉や乳製品の生産に欠かせない動物「牛」は、1日約5時間しか寝ません。草食動物の多くは、捕食者である肉食動物から身を守るために睡眠時間が短くなっています。
ただし、自然放牧の牛と屋内で管理されている牛とでは、睡眠時間に少し違いがあるようです。身の危険を感じやすい放牧牛の場合、3時間睡眠程度になるケースもあるといわれています。
第4位:ゾウ|1日4時間
大型動物として有名な「ゾウ」は、1日約4時間程度しか眠りません。その理由は象の生息地であるアフリカやアジアの密林に、捕食者・密猟者といった身の危険のある存在が多いからだといわれています。
基本的にゾウは群れで行動するため、集団で眠ることが多い生き物です。また面白いことに、立ったまま眠るゾウと、完全に横になって眠るゾウの2パターンあるということが分かっています。
第3位:羊|1日4時間
ウール素材を生み出す「羊」は、ゾウと同じく1日4時間程度しか眠らないといわれています。主な理由は第5位の牛と同じですが、牛よりもさらに体が小さく捕食者に狙われやすいため、少しだけ睡眠時間の差があるようです。
羊といえば睡眠の象徴でもある動物として有名ですよね。しかし、実際には意外と眠らない動物だとあまり知られていません。
第2位:馬|1日3時間
競馬や食用として有名な馬は、1日約3時間程度しか眠らないといわれています。しかも、まるまる3時間眠るのではなく、15~30分程度の時間だけ眠ることを繰り返すそうです。
馬は長距離を移動する「移動能力」に優れた動物ですが、意外と休むことなく生活できます。ただし、競馬など激しい運動をした後には、ぐったりと横になっていびきをかくように眠るようです。
第1位:キリン|1日2時間
栄えある第1位にランクインしたのは、アフリカ地方に生息する「キリン」です。長い首をした特徴的なキリンは、1日約2時間しか眠りません。睡眠時間が短い理由は、主に次のとおりだといわれています。
- ・少数の群れで行動している
- ・ライオンやハイエナなど危険な動物が多いエリアに生息する
アフリカといった肉食動物の多い環境は、とにかく危険です。いつ危険が迫るか分からない状況を生き抜くため、短い睡眠時間でも対応できる身体へと進化してきたといわれています。
よく寝る動物ランキングTOP5
私たち人間の睡眠時間といえば、約6~8時間が一般的です。しかし世界には、私たちよりも長い睡眠時間を必要とする動物が多数いるとご存じでしょうか。
まずは、世界でもよく寝る動物のTOP5を紹介します。意外と身近な動物もランクインしているので、ぜひチェックしてみてください。
第5位:ハムスター・リス|1日14時間
ペットとして飼うことができる「ハムスター」と、森でよく見かける「リス」は、1日に約14時間の睡眠時間が必要だといわれています。どちらもげっ歯類であり、比較的小型の動物です。
ハムスター・リスはそれぞれ夜行性であり、人間が寝静まった後に行動します。これは捕食者となる肉食動物から身を守るための習性です。長時間眠って体力を温存すれば危険な状況に陥っても俊敏に逃げ回れるため、眠る時間が長くなったといわれています。
第4位:キツネザル|1日16時間
大きな瞳が特徴的な「キツネザル」は、1日約16時間の睡眠が必要です。鼻先から口もとにかけて体毛がなく、猿とは違って犬やキツネに似た見た目をしていることから、キツネザルという名前がつけられました。
キツネザルは、私たち人間と同じ霊長類に分類される雑食性の生き物であり、昼間は寝て夜に行動する夜行性の動物です。小さな体、そして少ない食料でも体力を温存できるように、睡眠時間が長くなったといわれています。
第3位:アルマジロ・ポッサム|1日19時間
中南米に生息する「アルマジロ」「ポッサム」という生き物は、1日約19時間の睡眠を必要とします。アルマジロはメディアでもよくとり上げられる動物で、体を丸めて身を守ります。一方ポッサムは、ネズミのような見た目をした有袋類の動物であり、コアラやカンガルーに近い仲間となります。
基本的に、どちらも小型の動物なので、体力温存のために長時間睡眠が必要です。ただし、アルマジロについては、固い皮膚が本体体重の3倍近い重さになるといわれています。もしかすると、移動時の疲労によって睡眠時間が長くなっているのかもしれません。
第2位:ナマケモノ|1日20時間
ゆったりした動きが特徴的な「ナマケモノ」は、よく眠る動物に必ずランクインする動物です。1日約20時間近い睡眠が必要な動物であり、すべての動作がゆっくりしています。
食べるスピード、動くスピード、そのどれもがロースピードです。また、食べる量も1日に葉っぱ数枚という省エネな動物であるため、よくメディアでも「かわいい動物」として特集されています。
ただし、身の危険が近づくと、かなり俊敏な動きで攻撃・逃亡することは意外と知られていません。危険な状態を切り抜けるために、体力を温存する目的でゆっくりと動いているそうです。
第1位:コアラ|1日22時間
堂々の1位に輝くのは、オーストラリアに生息するかわいい動物「コアラ」です。なんと1日約22時間も眠っている動物であり、2時間という短い時間だけ行動します。
コアラはいつも木の上で生活しており、ユーカリの葉っぱ・枝を食べてエネルギーを蓄えるのが特徴です。ただし、危険が迫ると意外と凶暴な一面をもつ動物としても有名なのをご存じでしょうか。また最近では、コアラが絶滅の危機にひんしているなど、メディアでもよく話題になる動物です。
22時間睡眠となると、ほぼ意識のある状態が短いといえます。もしかすると、夢の中では活発に動いているのかもしれませんね。
動物の睡眠時間が変化する2つの理由
なぜ動物の睡眠時間に大きな違いがあるでしょうか。結論として、睡眠時間は「生活する環境」と「食べ物」によって異なります。
何万年という歴史の中で刻まれてきた動物の睡眠を、ひとつずつ理解していきましょう。
理由①:生活エリアの違い
動物は、自分が置かれている環境によって睡眠時間が変化します。中でも大きく影響するのが「どれだけ危険なのか」ということです。
例えば、小動物の場合、穴にもぐったり、木に登ったりして危険を回避できます。よって、長い睡眠時間を確保できるのです。
一方、大型動物は、大きさゆえに隠れることができません。日常的に肉食動物を警戒する必要があるため、長い睡眠時間を確保できないのです。
理由②:食べる量の違い
睡眠時間には食べる量が関係しているとご存じでしょうか。例えば、食べる量が少ないコアラやナマケモノは、1日に葉っぱ数枚を食べるだけで生活しています。エネルギー消費を減らすことが目的であるため、睡眠時間を多めにとって、省エネな暮らしを送るのです。
一方、キリンや牛といった大型の動物は、大量の食糧を食べながら生活しています。食べる量が多い分、エネルギーを消費しても問題ないことから、睡眠時間が短くても問題ないというわけです。
人間の睡眠時間はどれくらいが理想?
人間の睡眠時間といえば6~8時間程度だといわれていますが、実際にはどれくらい寝るのが良いのでしょうか。結論として、適正睡眠時間は、年齢やライフスタイルで変化します。参考として、以下に厚生労働省が公開した「健康づくりのための睡眠指針検討会報告書」の情報を整理しました。
- ・自分に合った睡眠時間が大切なので8時間程度にこだわる必要はない
- ・参考とする適正睡眠時間は10代なら8~10時間、成人以降から50代までは6.5~7.5時間、60歳以上は6時間弱である
- ・適度な運動と食事を心掛け、アルコールやカフェインの摂り過ぎに注意すべき
まずは自分が何時間眠るとスッキリするのか分析し、快適な睡眠時間を確保してみてください。
よく寝る動物・寝ない生き物に関する豆知識
最後に、よく眠る動物・寝ない生き物について、面白い豆知識を4つご紹介します。人に話したくなる情報をおまとめしたので、ぜひチェックしてみてください。
豆知識①:泳ぎながら眠る魚がいる
世界中の海を泳いで生活する「回遊魚」は、捕食されないように泳ぎながら眠っています。有名どころとしては、マグロをイメージする人も多いでしょう。ですがほかにも、以下でご紹介する魚が泳ぎながら眠っています。
- ・ブリ
- ・ハマチ
- ・カツオ
- ・イワシ
意外と身近な魚も寝ながら泳いでいるのです。人間にはマネできない芸当ですね。
豆知識②:冬眠は動物によって期間が違う
動物が行う睡眠の中でも、面白い習性なのが「冬眠」です。クマやカエルなどの動物には、寒い時期を乗り切るために大量の食べ物を蓄えて何か月も眠る習性があります。
ですが、すべての動物が冬の間ずっと眠っているわけではありません。じつは動物によって、冬眠の期間が異なります。
- ・クマ:5~6ヶ月
- ・カメ:5ヶ月
- ・カエル:4ヶ月
- ・ヘビ:3ヶ月
- ・リス:3ヶ月
それぞれ眠りにつく時期、目覚める時期が違います。同じ冬眠でも、動物によって行動が違う部分に面白さを感じますね。
豆知識③:脳を半分だけ休めて眠る動物がいる
睡眠といえば、完全に意識を失うものだと思われがちですが、中には脳を半分だけ休めて「片目睡眠」を行っている動物がいます。それは人間のようにコミュニケーション能力に優れた海の動物「イルカ」です。
片方ずつ脳を休めて危険から身を守るため、捕食者の多い海でも安全に生活できています。危険な環境にいるからこそ身についた「生きる知恵」ですね。
豆知識④:虫もしっかり睡眠をとっている
じつは、昆虫も睡眠をとっているとご存じでしょうか。「まぶた」がないため知らなかったという人も多いと思いますが、じつは虫も睡眠をとっているのです。
まったく動く気配がないとき、それが虫の眠っている時間だといわれています。
まとめ
人間と同じように、動物にも睡眠時間が必要です。しかし、生きている環境や摂っている食事によって、睡眠時間が大きく変化します。中には、2時間程度しか活動せずほとんど寝ない生き物もいるので、驚いている方も多いでしょう。
また人間の場合。一般的には約8時間程度の睡眠が必要です。中には普段から寝不足続きの人もいるはずですので、この機会に「自分はしっかりと眠れているのか?」と考えてみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q.よく寝る動物・寝ない動物って何がいる?
A.よく寝る動物・寝ない動物は「よく寝る動物ランキングTOP5」「寝ない生き物TOP5」で紹介しています。以下にそれぞれのTOP5を整理しました。
・よく寝る動物TOP5
第5位:ハムスター・リス|1日14時間
第4位:キツネザル|1日16時間
第3位:アルマジロ・ポッサム|1日19時
間
第2位:ナマケモノ|1日20時間
第1位:コアラ|1日22時間
・寝ない生き物TOP5
第5位:牛|1日5時間
第4位:ゾウ|1日4時間
第3位:羊|1日4時間
第2位:馬|1日3時間
第1位:キリン|1日2時間
Q.人間の理想の睡眠時間はどれくらい?
A.人間の理想の睡眠時間は「人間の睡眠時間はどれくらいが理想?」で紹介しています。
一般的には8時間程度だといわれていますが、年齢やライフスタイルによって、6~10時間程度に前後する場合があります。まずは自分がどれくらい眠るとスッキリするのか調べて、適正睡眠時間を確保するようにしましょう。