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睡眠時無呼吸症候群の治療・治し方

【自力で治せるのか?】睡眠時無呼吸症候群を改善するトレーニング

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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自宅でできる改善トレーニング方法を紹介

睡眠時無呼吸症候群の改善には、ダイエットや禁煙・禁酒などが有名です。
しかし生活習慣の改善以外にも、自宅でできる対策はあります。それが舌のトレーニングです。
それは、睡眠時無呼吸症候群の原因である舌根部や軟口蓋が気道を塞ぐことと関係しています。
舌を鍛えることで、睡眠中も正しい位置で舌を保持でき、気道を塞がないようになる可能性があるからです。
まずは睡眠時無呼吸症候群の改善に効果的な、おすすめの舌トレーニングの方法を紹介します。

あいうべ体操

あいうべ体操とは、福岡市のみらいクリニックの内科医、今井一彰先生が考案された体操です。舌や口まわりの筋肉が鍛えられ、舌を正しい位置で保てるようになります。
あいうべ体操のやり方を紹介しますので、一緒にやってみましょう。

  • ① 「あー」の口で、大きく口を開けます。声は出さなくてもかまいません。
  • ② 「いー」と口を大きく左右に引っ張ります。首筋の張りを感じるくらい、目いっぱいに広げましょう。
  • ③ 「うー」と口をすぼめ、唇を前に突き出します。
  • ④ 「べー」と舌を下方向に突き出して伸ばします。あごの先を舐めるイメージです。

これを1セットとし、1日30セットを目標に毎日続けましょう。
あいうべ体操は、口呼吸を防止し、鼻呼吸を促します。
口呼吸が改善されると、いびきを始め、アレルギーや呼吸器の病気、精神疾患などにも効果があり
ます。

舌トレーニング①

いびきのおもな原因は、舌の根本である舌根部が下がることで、気道を狭めてしまうことです。
舌根沈下を防ぐには、舌を正しい位置でキープできるように口周りの筋力をつけましょう。

  • ① まずは大きく口を開け、舌を思い切り突き出して10秒キープします。唇に舌が触れないように注意します。
  • ② 次は舌の先端を右の口角に当て、10秒キープ。
  • ③ 同様に左の口角に舌の先端を当て、10秒キープ。

これを1セットとし、連続10回を目安におこなってみましょう。

舌トレーニング②

口の中での舌の正しい位置は、舌の先端が上あごに触れている場所です。

  • ① 舌の先端を上の前歯の裏側、歯茎の部分につけます。
  • ② そのまま舌全体を上あごに貼り付けます。
  • ③ ポンと音を立てながら、勢いよく上あごから舌を離しましょう。

こちらも連続10回を目安におこないます。

鼻呼吸の練習

口呼吸の習慣がある人は、鼻呼吸の練習も並行しておこないましょう。あいうべ体操でも鼻呼吸は促されますが、より効果を上げるなら鼻呼吸に特化したトレーニングがおすすめです。
睡眠中の鼻呼吸を促す方法には、市販テープの活用が一般的です。寝ている間に唇が開かないよう、唇の上下にテープを貼ります。口呼吸防止用の専門テープも販売されていますが、ばんそうこうやマスキングテープでも代用できます。鼻づまりが気になる人は、鼻腔拡張テープも活用してみましょう。
睡眠中だけでなく、日中の生活でも鼻呼吸を意識するとより早く習慣づけられます。

睡眠時無呼吸症候群は自力で治せる?

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が止まったり、呼吸が弱くなったりする病気です。睡眠中に無呼吸や低呼吸になると、身体が低酸素状態となるため、やがて生活習慣病を引き起こす可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群による大きないびきは家族を悩ませる問題ですが、実は本人の命も脅かす怖い病気なのです。
また睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠不足にも悩まされています。低酸素状態で脳がしっかりと休めないため熟睡できず、日中の強い眠気や頭痛、身体全体に感じるだるさと闘っています。
眠っている間のことなので自分では気づきにくい病気ですが、上記の症状に自覚のある人は病院で検査を受けましょう。
ところで睡眠時無呼吸症候群は、自分の努力次第で治せるものでしょうか?結論から申し上げると、睡眠時無呼吸症候群を自力で治すのは困難です。
そもそも睡眠時無呼吸症候群に特効薬や根本的な治療はありません。しかし自宅でのトレーニングを続けていれば、少しずつ改善できる可能性があります。諦めずに、舌のトレーニングや鼻呼吸の練習を続けましょう。

睡眠時無呼吸症候群の原因とは

睡眠時無呼吸症候群は、のどの気道が塞がることに原因があります。気道が塞がれて空気が通りにくくなるため、無呼吸や低呼吸状態になります。
気道が塞がる原因もさまざまです。ここからは、睡眠時無呼吸症候群のおもな原因を紹介します。

肥満

肥満体型の人はいびきの大きい印象があります。これは気道や口周りに脂肪がつき、空気の通り道を狭くしているからです。
肥満体型で睡眠時無呼吸症候群にお悩みの方は、まずダイエットから始めましょう。バランスの取れた食事や適度な運動を続けていれば、健康的な身体が手に入ります。また運動でほどよい疲れを感じるため、運動しない日よりも熟睡できるでしょう。

骨格の問題

頭や顔、喉の骨格によって、睡眠時無呼吸症候群になりやすい人がいます。
たとえばあごが小さい人は、仰向けに寝た際に舌が落ち込みやすく、気道を塞ぎやすい傾向にあります。首が細い人、口蓋垂や扁桃戦が大きい人は、そもそもの気道が狭い可能性があるでしょう。
健康的な生活を心がけ、肥満に気を付けている人でも、骨格に問題がある人は睡眠時無呼吸症候群になる可能性があるといえます。
また日本人は欧米人と比較し体格が小さいため、睡眠時無呼吸症候群になりやすいといわれています。

呼吸中枢の異常

人間は無意識で呼吸を繰り返しています。本来は、睡眠中でも脳にある呼吸中枢が指示を出し、肺や胸郭を動かします。しかし呼吸中枢になんらかの異常があり呼吸の指示が出されないと、無呼吸になります。
心不全や腎不全、脳卒中の後遺症などが原因のケースもあるため、病院で精密検査を受け、適切な治療をおこないましょう。

アルコール

アルコールはストレス発散や食欲増進など、健康に良い作用があります。少量のアルコールを飲めば寝つきが良くあるため、なかなか眠れない人の入眠も助けてくれるでしょう。
しかしアルコールの摂取量が増えると、身体の力が抜け、舌根沈下を引き起こします。睡眠時無呼吸症候群で睡眠不足を感じている人は、毎日の晩酌を控えるようにしましょう。

舌根沈下についてはコチラの記事でメカニズムを解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

タバコ

喫煙習慣のある人は、喫煙習慣のない人よりも睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいといわれています。それはタバコによって気道がむくみ、呼吸がしにくくなっているからです。
またニコチンには覚醒作用があるため、睡眠の質を下げる可能性もあります。たたでさえ睡眠時無呼吸症候群の人は、浅い睡眠のために日中の眠気を感じやすくなっています。万年の睡眠不足にお悩みの方で喫煙習慣のある人は、これを機に禁煙してみてはいかがでしょうか。

睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に症状が発症するため、自分では気づきにくい病気です。また病気に気付いていても「すぐに病院に行くほどではない」と、診察を後回しにする人もいます。しかし睡眠時無呼吸症候群を放置すると、症状は徐々に悪化し、深刻な状況になる可能性があります。自覚がある場合や家族に指摘された場合は、早めに病院を受診しましょう。
ここでは、睡眠時無呼吸症候群の放置で考えられる問題について解説します。

命にかかわる重大な病気

睡眠時無呼吸症候群は、命にかかわるような合併症を引き起こすと報告されています。睡眠時の無呼吸で低酸素状態が続き、心臓や血管に負担をかけるからです。高血圧・不整脈・心不全・脳卒中など、あげればキリがないほどの合併症があるため、睡眠時無呼吸症候群の放置は大変危険です。
大きないびきを家族に指摘されたときや、充分な睡眠時間でも疲れが取れないとき、慢性的な眠気に悩まされているときなどは、専門の病院で検査を受けましょう。

日中の眠気による事故や災害

睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を下げるため、しっかりと睡眠時間を取っていても日中に眠気を生じさせます。乗り物を運転する仕事に従事している人は、居眠り運転で交通事故を起こすリスクがあるでしょう。最悪の場合、周囲の人を巻き込んだ事故を起こす可能性もあります。加害者として罪を償う人生にもなりかねません。
高所作業や危険物を取り扱う仕事の人も同様です。業務災害でケガを負ったり、物損事故を起こしたりと、取り返しのつかない問題を起こす可能性があります。

おもな治療法は?

睡眠時無呼吸症候群を治療すると、睡眠不足や疲労蓄積状態が改善され、生活の質が上がります。生活習慣病や交通事故も予防できるでしょう。仕事や学習のパフォーマンスが上がり、自己実現にも大きな影響を与えます。
ここでは、睡眠時無呼吸症候群のおもな治療法を紹介します。

CPAP

CPAP(シーパップ)とは、鼻にマスクを装着して、圧力をかけた空気を送り込む治療法です。圧力をかけることで狭くなった気道でも空気が通りやすくなり、呼吸を楽にしてくれます。おもに中等~重症の患者さんに用いられています。CPAPの機械はレンタルして使用するものです。健康保険が適用されるため、1カ月およそ5,000円で使用できます。

マウスピース

マウスピースの装着も、睡眠時無呼吸症候群を改善するのに用いられています。下あごを上あごよりも前に出すように固定し、気道を広く保ったり、舌根沈下を防いだりしてくれます。睡眠時無呼吸症候群の軽傷~中等症までの人に効果的です。健康保険が適用されるため、1万円前後で作製できます。

外科手術

空気の通り道を確保するため、外科手術をおこなう治療法です。UPPP(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)と呼ばれる、口蓋垂や扁桃などを切除して気道を広げます。しかし、手術を受けた人の半数は効果が感じられなかったという報告があります。術後は激しい痛みや合併症のリスクも考えられるため、主治医とよく相談して決めましょう。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群を改善するためには、舌のトレーニングが有効です。舌や口周りの筋肉を鍛えると、睡眠中にも舌を正しい位置で保てます。舌根沈下を防ぐため、いびきの改善も期待できるでしょう。口呼吸を止め、自然と鼻呼吸ができるようになれば、アレルギーや精神疾患にも効果的です。
睡眠時無呼吸症候群を自力で完治させるのは困難ですが、軽症の段階であれば改善できる可能性があります。ダイエットや禁煙、禁酒と合わせて、自宅でできる舌トレーニングを習慣にしましょう。

よくある質問

Q.睡眠時無呼吸症候群に聞く舌のトレーニングには何がある?

A.あいうべ体操や舌の上下運動などがあります。舌や口周りの筋肉を鍛え、睡眠中も正しい位置で舌を保持できるようにトレーニングしましょう。口呼吸の防止にも効果的です。

Q.睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなりますか?

A.脳梗塞や不整脈など、命にかかわる重大な病気を引き起こすリスクがあります。慢性的な睡眠不足による居眠り運転で、交通事故を起こす可能性もあるでしょう。他人を巻き込んだ交通事故を起こせば、家族や親族にも迷惑がかかります。自覚症状がある場合は早めに専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。

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睡眠Dr. 編集部

睡眠の質を上げる健康医療メディア睡眠Dr.の編集部です。いびき治療や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治し方、睡眠の質を良くする方法、睡眠障害(不眠症、ショートスリーパー、ナルコレプシー、過眠症)についてなど、睡眠のエキスパート達によって執筆されるコンテンツは、医学的根拠に基づいて作成されています。

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